遺品整理 業者に電話する前に|契約・時期・8日間で決まる3判断
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遺品整理 業者に電話する前に|契約・時期・8日間で決まる3判断

まな先生解説
こころ質問
すい要点整理

遺品整理の業者選びで最初にやるべきことは何ですか?

電話する前の5分判断チャート

  • はい熟慮期間中は原則として着手しない。遺品の売却・廃棄・形見分けは民法921条1号の「処分行為」に当たり、単純承認したとみなされる恐れがあります。熟慮期間は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月」(民法915条)。できるのは財産を維持する保存行為の範囲にとどまります。まず家庭裁判所や弁護士へ。
  • いいえ → 分岐2へ
  • 賃貸 → 明渡し日から逆算します。原状回復や鍵の返却を考えると、作業日は「明渡し日の7日前まで」を上限にすると安全です。追加作業や積み残しが出ても1週間あれば吸収できます。
  • 持ち家 → 分岐3へ
  • はい → 相続空き家の3,000万円特別控除(適用期限2027年12月31日/国土交通省)を使うなら、家財撤去・除却・耐震改修の時期を売買契約書で取り決める必要があります。整理の着手は「売買条件が固まったあと」が原則です。
  • いいえ → 分岐4へ
  • はい → 整理作業(役務)と買取は別の契約書に分けてもらいます。買取は「訪問購入」に当たり、8日間は物品の引渡しを拒めます(消費者庁 特定商取引法ガイド)。
  • いいえ → 分岐5へ
  • 持っている → そのまま契約可。許可番号を自治体名簿で照合します。
  • 持っていない/不明自治体の許可業者名簿から許可業者を選び、排出者本人がその業者と直接契約します遺品整理業者への手続き委任は可)。
注意

分岐1で「はい」の方は、この記事の費用の話に進む前に、必ず家庭裁判所または弁護士へご相談ください。片付けを1日先延ばしにする損失より、相続放棄ができなくなる損失のほうがはるかに大きくなる場合があります。

なぜ遺品整理でトラブルが起きるのですか?

なぜ遺品整理でトラブルが起きるのですか?

原因1|許可の構造が知られていない

原因2|「作業」と「買取」が1枚の契約書に混ざる

原因3|需要の急増に情報が追いついていない

補足

需要が伸びれば参入も増えます。国民生活センターは2022年11月2日の報道発表で、不用品回収サービスの相談が2021年度に2,231件(前年度比約25%増)に達したと公表しました。遺品整理と隣接する領域でも同じ問題が起きています。

優良業者と悪質業者はどこで見分けますか?

見分け方1|許可を自治体名簿で照合する

見分け方2|4つの許可・資格の効力を理解する

項目一般廃棄物収集運搬業許可産業廃棄物収集運搬業許可古物商許可遺品整理士(民間資格)
家庭の不用品を有償で運べるか×(事業系のみ)×(運搬の許可ではない)×(資格であり許可ではない)
遺品を買い取れるか-(買取の許可ではない)
根拠法廃棄物処理法廃棄物処理法古物営業法なし(民間認定)
許可・認定の出し手市区町村都道府県都道府県公安委員会一般財団法人遺品整理士認定協会
消費者側の確認方法自治体の一般廃棄物処理業者名簿で番号照合都道府県の名簿で照合古物商許可番号(12桁)の掲示を確認協会サイトの事業所検索
これしか無い業者に頼んだ時のリスク家庭ごみの運搬は不可。不法投棄の恐れ買取はできても処分は不可許可の裏付けがなく、処分は他社頼み
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見分け方3|見積書に「単価」と「追加条件」があるか

注意

一般財団法人遺品整理士認定協会は会員30,000名超、法人会員1,000社超と公表しています。遺品整理士は業界の教育・倫理面の目安にはなりますが、廃棄物を運ぶ法的な根拠にはなりません。「遺品整理士がいるから安心」という説明だけで許可の確認を省略しないでください。

無許可の業者に頼むとどうなりますか?

正しい契約の組み方(三者関係)

遺品整理業者が一般廃棄物収集運搬業の許可を持たない場合は、許可業者に依頼し、排出者と許可業者が直接契約する必要があります(遺品整理業者への委任は可)。

電話で聞く質問文(そのまま使えます)

  1. 「御社は一般廃棄物収集運搬業の許可をお持ちですか。許可自治体と番号を教えてください」
  2. 「お持ちでない場合、廃棄物はどの許可業者が運びますか。私とその業者の直接契約になりますか」
  3. 「その許可業者の社名と許可番号を、見積書に記載していただけますか」

契約後に「やっぱりやめたい」と思ったら戻せますか?

2系統を整理する

整理作業(役務)遺品の買取
法律上の分類訪問販売訪問購入
期間書面受領日を1日目として8日間書面受領日を1日目として8日間
特有の権利期間中は物品の引渡しを拒める
起算点となる書面作業の契約書面買取の契約書面
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実務でやるべきこと

  1. 契約書を分けてもらう。 作業と買取が1枚に混在していると、どちらの書面がいつ交付されたのか争いになります。
  2. 買取品はその場で渡さない。 訪問購入では8日間の引渡し拒絶権があります。貴重品や思い入れのある品ほど、この権利を使ってください。
  3. 書面の受領日を控える。 起算点は「書面を受け取った日」です。受け取った日をメモし、書面の写真を残します。
  4. 迷ったら188へ。 消費者ホットライン188(いやや)に電話すると、最寄りの消費生活センター等につながります。
注意

遺品は一度処分すると戻りません。買取の話が出た時点で、「8日間は預かりでお願いします」と口頭で伝え、書面にも残すのが確実です。急かす業者ほど注意が必要です。

全部依頼と自分でやるのはどちらが安いですか?

計算式

1K・粗大ごみ15点モデルで計算する

費目計算金額
粗大ごみ手数料2,200×2+1,500×3+1,000×4+500×3+200×315,000円
指定袋・梱包資材袋・テープ等3,000円
軽トラ/レンタカー1日8,000円
自分の時間2日×1人×8時間×1,500円24,000円
自力コスト合計50,000円
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第3案:半分だけ自力

費目計算金額
粗大ごみ手数料(10点を自力)2,200×2+1,500×2+1,000×3+500×312,000円
自分の時間1日×1人×6時間×1,500円9,000円
業者へ依頼(残り5点+細かい家財の搬出・清掃)見積もり見積総額
合計21,000円+見積総額
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補足

手数料の金額・区分は自治体ごとに異なります。ここでは横浜市(粗大ごみ処理手数料表)の区分を例にしています。お住まいの自治体の最新の手数料表でご確認ください。

デジタル遺品整理は業者に頼めますか?

業者に頼める範囲/頼めない範囲

内容業者に頼めるか補足
PC・スマホ・HDDの物理的な回収・データ消去消去証明書の発行可否を確認
機器内データの取り出し(データ復旧業者)ロック解除は端末仕様により不可の場合あり
写真・連絡先の抽出、アルバム化ロックが解除できている前提
ネット銀行・証券口座の解約、残高の払い戻し×相続手続きとして相続人が金融機関と直接行う
サブスクの解約×各サービスの本人確認・規約に従う
SNSアカウントの削除・追悼設定×各社の遺族向け窓口へ相続人が申請
携帯電話の解約×契約者の死亡を証する書類を持って相続人がキャリアへ
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遺族が自分でやる順番

  1. 端末を電源につないだまま保管する。 電池切れやリセットで手がかりを失わないためです。
  2. 紙の手がかりを先に集める。 郵便物、通帳の引落履歴、クレジットカードの明細から契約中のサービスを洗い出します。口座の引落履歴は、サブスク一覧として最も確実な資料です。
  3. 金融機関・キャリアへ相続手続きを申し出る。 必要書類は各社の案内に従います。
  4. 機器の処分は最後に。 データ消去まで終えてから物理処分に回します。
注意

「スマホのロックを解除します」とうたう事業者に依頼する場合は、費用の上限、成功しなかった場合の扱い、端末が破損した場合の責任を書面で確認してください。成功報酬型でも着手金が発生するケースがあります。

遺品整理業者のランキングはあてになりますか?

ランキングの正しい使い方

  1. ランキングで3〜5社を拾う。エリアと対応内容の絞り込みには有効です。
  2. 拾った社名を自治体の許可業者名簿で照合する。ここで落ちる会社があります。
  3. 残った3社に同条件で見積もりを依頼する。間取り・階数・エレベーターの有無・粗大ごみ点数・作業希望日を同じ紙に書いて渡します。
  4. 見積書の粒度で比べる。総額だけでなく、追加料金の発生条件が書かれているかを見ます。

相見積もりで必ず伝える5項目

  • 間取りと階数、エレベーターの有無
  • トラックを何メートル手前まで着けられるか
  • 貴重品・書類の捜索を依頼するか
  • 買取希望の有無(希望する場合は契約書を分けてもらう)
  • 作業希望日と、明渡し/売買の期限

ケース別にはどう動けばよいですか?

ケース1|賃貸物件の明渡し期限が迫っている

ケース2|相続放棄を検討している

ケース3|実家が遠方で、いずれ売却する

ケース4|孤独死・特殊清掃が必要

次に同じことで困らないための予防策はありますか?

元気なうちにやっておく5つ

  1. 貴重品と重要書類を1つの箱にまとめる。通帳・保険証券・不動産の権利証・年金関係を1か所へ。
  2. 口座の引落一覧を年1回プリントする。契約中のサービスが一覧化されます。
  3. スマホのパスコードを封書にして保管場所を家族に伝える。国民生活センターが2024年11月20日の報道発表で呼びかけている「デジタル終活」の中核です。
  4. サブスクとネット口座の一覧をノート1枚に書く。ID順で十分です。パスワードは別管理にします。
  5. 処分してよい物・残す物のラベルを貼る。遺族が最も迷うのは「捨ててよいか分からない物」です。

遺族側の再発防止

  • 見積書・契約書・作業前後の写真を保存する
  • 許可業者名と許可番号を記録に残す
  • 兄弟姉妹など相続人全員で、着手前に処分方針を合意しておく

公的機関はどう注意喚起していますか?

遺品整理業者に依頼して費用を払って不用品を処分する場合、その業者が「一般廃棄物収集運搬業」の許可を持つか必ず確認してください。持たない場合は許可業者に依頼し、排出者と許可業者が直接契約する必要があります(遺品整理業者への委任は可)。産業廃棄物収集運搬業許可や古物商許可では、家庭からの不用品は収集できません。

— 横浜市 資源循環局「遺品整理や家の片付けを業者に依頼する際の注意点」(2024年)

遺品整理サービスに関する消費生活相談は、契約内容の説明不足、作業後の高額な追加請求、不十分な作業、分別されない処分の4類型が典型です。

— 国民生活センター 報道発表「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日)

遺品整理を頼むときは、事業者選びは慎重に。見積もり時の説明と異なる高額請求の相談が寄せられています。複数見積もり、追加料金の発生条件の事前確認を行い、不明な点は消費者ホットライン188へご相談ください。

— 国民生活センター「見守り新鮮情報」第525号(2025年10月30日)

補足

公的機関が個別業者のランキングを出すことはありません。「公的機関認定の優良業者」といった説明を受けたら、その時点で説明の正確性を疑ってください

やってはいけないNG対応

  1. 相続放棄の判断前に遺品を処分する。民法921条1号の処分行為に当たり、単純承認とみなされる恐れがあります。
  2. 「無料回収」の巡回トラック・チラシに載せる。国民生活センターは2022年11月2日の報道発表で、市区町村の許可を受けずに違法に回収する事業者への注意喚起を行っています。積み込み後に高額請求される事例が典型です。
  3. 買取品をクーリング・オフ期間中に引き渡す。訪問購入では8日間の引渡し拒絶権があります(消費者庁)。
  4. 見積もりを1社しか取らない。価格の異常値も、説明の粗さも、比較しないと見えません。
  5. 「一式」だけの見積書で契約する。追加料金の発生条件が書面にない契約は、後から争えません。
  6. 口頭の約束で進める。作業範囲・処分先・追加条件はすべて書面へ。
  7. 貴重品の捜索を伝えないまま作業を始める。現金・通帳・権利証・手紙は、事前に伝えないと処分対象に混ざります。
注意

訪問してきた業者と、その場で契約しないでください。持ち帰って検討する、家族に相談すると伝えるだけで、多くのトラブルは回避できます。断りにくい雰囲気になったら、消費者ホットライン188へご相談ください。

まとめ|電話の前に決める3つ

よくある質問

Q1. 遺品整理業者に一般廃棄物収集運搬業の許可がない場合、依頼してはいけませんか?

Q2. デジタル遺品整理の業者は、ネット銀行の解約までやってくれますか?

Q3. 遺品整理業者のランキングサイトで1位の会社を選べば安心ですか?

Q4. 遺品整理の優良業者かどうかを、見積もり段階で見抜く方法はありますか?

Q5. 遺品整理業者とトラブルになった場合、どこに相談すればよいですか?

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