- ①逆算カレンダー+調査ロードマップ:3か月で借金の有無を調べ切るために、どの機関へいつ・いくらで請求するか(信用情報3機関/生命保険契約照会/2026年2月開始の所有不動産記録証明)
- ②実費積み上げ計算表:自分でやる/司法書士/弁護士を3ケースで比較。東京家裁の「先順位者が受理済みなら共通書類は不要」「戸籍はコピー可」を適用した減額まで反映
- ③家族全員で放棄する順番フローチャート:後順位者はいつ申述できるか、どの書類を使い回せるか
- ④法定単純承認チェックリスト(○△×判定)と、放棄した後の出口設計
結論:相続放棄 手続きを自分でやる5段階と、勝負どころは「3か月」
- 相続人の確定と財産調査(最も時間がかかる。詳細は次章)
- 必要書類の収集(続柄により3日〜1か月)
- 相続放棄申述書の作成・家庭裁判所へ提出(書式は裁判所サイトからダウンロード)
- 家裁から届く照会書に回答して返送(提出から1〜2週間で到着)
- 相続放棄申述受理通知書の受領(回答返送から1週間〜10日)
- 期限(熟慮期間)の起算日を特定する:起算日は「死亡日」ではなく「自己のために相続の開始があったことを知った日」です(民法915条1項)。同居の家族なら死亡日と同じことが多いですが、疎遠な親族の場合は「債権者からの通知で初めて相続を知った日」が起算点になることもあります。
- 財産の全体像を調査する:プラスの財産(預貯金・不動産・有価証券)とマイナスの財産(借金・連帯保証・税金の滞納)を書き出します。判断材料がそろわないと、放棄すべきかどうか決められません。
- 遺産に一切手を付けない:預貯金の引き出しと消費、不動産の名義変更、高価な遺品の持ち帰りなどをすると「単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなるおそれがあります(民法921条)。詳しい可否は後述のチェックリストで確認してください。
- [ ] 相続を知ったのはいつか(=3か月の起算日)を特定した
- [ ] プラス・マイナスの財産をわかる範囲で書き出した
- [ ] 預金の引き出し・遺品の持ち帰りなど、遺産に手を付けていない
- [ ] 期限まで残り何日かを把握した(迫っていれば「期間伸長」を先に検討)
- [ ] 自分の続柄(配偶者/子/孫/父母/兄弟姉妹/甥姪)を確認した
【独自】3か月で判断材料を集め切る調査ロードマップと逆算カレンダー
| 調査先 | 請求方法 | 手数料 | 回答までの目安 | わかること | わからないこと |
|---|
| ①CIC | ネット/郵送 | ネット500円/郵送1,500円〜 | ネットは即日、郵送10日前後 | クレジットカード・信販・一部消費者金融の残高と延滞 | 銀行プロパー融資、個人間の貸借 |
| ②JICC | スマホアプリ/郵送 | アプリ1,000円/郵送1,300円 | アプリ数日、郵送1〜2週間 | 消費者金融・カードローンの残高と延滞 | 銀行プロパー融資、税金の滞納 |
| ③全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 郵送のみ | 1,679円 | 2週間前後 | 銀行・信金の借入、保証会社の代位弁済 | 事業性融資の一部、連帯保証 |
| ④生命保険契約照会制度 | WEB/書面 | WEB6,000円/書面7,000円 | 2〜3週間程度 | 生命保険契約の有無 | 保険金額・受取人・特約の内容 |
| ⑤所有不動産記録証明書 | 法務局窓口等 | 窓口交付1通1,600円 | 窓口交付 | 被相続人名義の不動産を全国横断で一覧化 | 未登記建物、共有持分の詳細評価 |
| ⑥名寄帳(固定資産課税台帳) | 市区町村へ請求 | 自治体により無料〜数百円 | 窓口即日/郵送1〜2週間 | その市区町村内の不動産と評価額 | 他の市区町村の不動産 |
| ⑦郵便物・スマホ通知の棚卸し | 自分で確認 | 0円 | 随時 | 督促状、カード明細、リース契約、サブスク | ——(最も早く手がかりが出る) |
横スクロールできます
※CIC/JICC/全国銀行協会の各公式案内、生命保険協会「生命保険契約照会制度のご案内」(2026)、法務局「所有不動産記録証明制度」案内(2026)に基づく。回答日数は混雑状況により変動します。
注意調べても出てこないもの=連帯保証債務。 他人の借金の連帯保証人になっていた事実は、原則として信用情報に載りません(保証会社が代位弁済した後は載ることがあります)。事業をしていた親、知人の借入に判を押した可能性がある親の場合は、契約書・確定申告書・金銭消費貸借契約書の控え・法人の決算書を実地で確認するしかありません。ここが「あとから請求が来る」典型ルートです。
逆算カレンダー:Day0からDay85まで
| 期間 | やること | ポイント |
|---|
| Day0 | 起算日を記録(相続開始を知った日) | カレンダーに「3か月後の日付」を書き込む |
| Day1〜14 | 郵便物・スマホ通知・契約書・通帳の棚卸し | 費用0円で最も情報が出る。督促状は捨てずに保管 |
| Day15〜45 | 信用情報3機関へ一括請求(CIC・JICC・KSC) | 郵送が絡むKSCから先に出す。合計約3,200〜4,500円 |
| Day30〜60 | 生命保険契約照会・所有不動産記録証明・名寄帳 | 資産側の確認。放棄しない判断もありうる |
| Day60〜75 | 収支を比較して放棄するか判断 | 負債超過が明確なら放棄へ |
| Day75〜85 | 戸籍を集め、申述書を作成・提出 | 直系なら広域交付で数日。第3順位は前倒し必須 |
| 間に合わない場合 | 期限内に「期間伸長」を申し立てる | 認容率約94.6%(令和6年) |
横スクロールできます
【独自】相続放棄手続き 費用の実費積み上げ計算表|3ケース比較
| 費目 | 単価 | A. 子1人が単独で放棄 | B. 配偶者+子2人が同時放棄(3人) | C. 兄弟姉妹が第3順位で放棄(1人) |
|---|
| ①収入印紙(申述人1人につき) | 800円 | 800円 | 2,400円 | 800円 |
| ②連絡用郵便切手(東京家裁) | 440円(110円×4) | 440円 | 1,320円 | 440円 |
| ③被相続人の住民票除票・戸籍附票 | 300円前後 | 300円 | 300円(1通を共通利用) | 300円 |
| ④被相続人の死亡記載戸籍 | 450円(除籍・改製原戸籍は750円) | 450円 | 450円(コピーで共有) | 出生から死亡までで4〜6通=約3,000〜4,500円 |
| ⑤申述人の現在戸籍 | 450円 | 450円 | 900円(配偶者+子で同一戸籍なら450円のことも) | 450円 |
| ⑥先順位者の死亡・放棄を示す戸籍等 | 450〜750円 | 不要 | 不要 | 直系尊属の死亡記載戸籍が別途1,500円前後 |
| ⑦郵送費(レターパック等) | 400〜600円 | 500円 | 500円 | 1,000円(本籍地ごとの往復請求) |
| 自分でやる場合の小計 | — | 約2,940円 | 約5,870円(1人あたり約1,957円) | 約7,490〜9,000円 |
| ※③④をコピー・共通利用で圧縮した場合 | — | 約2,940円 | 約4,020円(1人あたり約1,340円) | 変わらず(戸籍そのものが必要) |
| ⑧相続放棄申述受理証明書(必要時) | 150円/通 | +150円 | +450円 | +150円 |
| ⑨司法書士に依頼した場合の報酬 | 3万〜5万円 | 3万〜5万円 | 6万〜12万円程度(人数加算) | 3万〜5万円 |
| ⑩弁護士に依頼した場合の報酬 | 5万〜10万円 | 5万〜10万円 | 10万〜20万円程度 | 5万〜10万円 |
| 差額(自分でやる vs 司法書士) | — | 約2.7万〜4.7万円の節約 | 約5.4万〜11.4万円の節約 | 約2.1万〜4.3万円の節約 |
横スクロールできます
※印紙・郵券額は東京家庭裁判所「<相続の放棄の申述>」令6.10版(2024)、証明書手数料は大阪家庭裁判所家事訟廷記録係の案内(2026)に基づく。戸籍は法定手数料(謄本450円、除籍・改製原戸籍750円)、住民票除票は自治体により200〜400円程度として積み上げ。専門家報酬は一般的な相場であり事務所により異なります。
注意連絡用の郵便切手の額は裁判所ごとに異なります。 東京家庭裁判所は令6.10版の案内で110円×4枚=440円分と明記しています。2024年10月の郵便料金改定を受けた内訳で、古い記事に載っている「84円×○枚」はもう使えません。申述先の家庭裁判所の最新案内を必ず確認してください。
| ルート | 費用の目安 | 含まれる範囲 | 向いているケース |
|---|
| 自分で手続き | 約1,940〜9,000円 | すべて自分 | 期限内・遺産に手を付けていない・配偶者や子の放棄(広域交付が使える) |
| 司法書士 | 3万〜5万円程度 | 書類作成・戸籍収集が中心。照会書対応や債権者対応は本人 | 兄弟姉妹・甥姪の放棄など戸籍収集が重い/平日に役所へ行けない |
| 弁護士 | 5万〜10万円程度 | 代理人として家裁対応・債権者対応まで可能(3か月経過後など難件は増額) | 3か月経過・債権者から督促・遺産に手を付けた可能性・親族間トラブル |
横スクロールできます
【独自】家族全員で放棄するときの順番と書類使い回しフローチャート
注意家庭裁判所は次順位の相続人へ自動通知しません。 自分が放棄しても、裁判所が親や兄弟へ「あなたが相続人になりました」と知らせる仕組みはなく、法律上の連絡義務もありません。黙っていると、甥・姪や高齢の親が3か月を知らないまま単純承認になってしまいます。 受理通知書が届いたら、次順位の親族へ自分から連絡してください。これが親族間トラブルの最大の火種です。
| 申述する順位 | その時点で必要な主な戸籍 | 先順位者の提出で省略できるもの |
|---|
| 第1順位(配偶者・子) | 被相続人の死亡記載戸籍/住民票除票/申述人の現在戸籍 | ——(最初に出す側) |
| 第2順位(父母・祖父母) | 被相続人の出生から死亡までの戸籍/第1順位の放棄を示す資料/申述人の戸籍 | 被相続人の住民票除票等の共通書類 |
| 第3順位(兄弟姉妹) | 被相続人の出生から死亡までの戸籍/直系尊属の死亡記載戸籍/申述人の戸籍 | 同上(受理済みの場合) |
| 甥・姪(代襲) | 上記+被代襲者(兄弟姉妹)の出生から死亡までの戸籍 | 同上 |
横スクロールできます
※東京家庭裁判所「<相続の放棄の申述>」令6.10版(2024)の記載に基づく。運用は家庭裁判所により異なる場合があるため、申述先へ確認してください。
全員が放棄した後、実家は誰が管理するのか
- その財産を「現に占有」している(実家に同居していた等)→ 改正民法940条の保存義務あり。相続人または相続財産清算人へ引き渡すまで続きます
- 占有していない(遠方で一度も行っていない等)→ 保存義務は生じにくい
- 引き取り手がいない → 相続財産清算人の選任申立て(予納金が別途必要)
| 状況 | 保存義務 | 実務上の意味 |
|---|
| 実家に同居していた | 該当する可能性が高い | 引き渡すまで保存義務。出口設計が必要 |
| 鍵を持っているだけ・時々様子を見に行く | 判断が分かれる | 個別事情によるため専門家に確認 |
| 遠方で一度も行っていない | 該当しない可能性が高い | 放棄すれば管理責任は生じにくい |
横スクロールできます
| 出口 | 費用の目安 | 特徴・リスク |
|---|
| (A) 放棄したうえで相続財産清算人を選任 | 予納金おおむね20万〜100万円 | 家庭裁判所が個別に決定。引き渡すまで保存義務が続く。年間28,331件の申立てがある |
| (B) 相続したうえで相続土地国庫帰属制度 | 審査手数料+負担金(原則20万円) | 2025年9月30日時点で申請4,556件に対し帰属承認2,039件、承認率約47%。通らない可能性がある |
| (C) 相続して売却 | 仲介手数料等(売却額により変動) | 買い手がつけば最も早い。負債総額との比較が前提 |
横スクロールできます
【独自】法定単純承認を踏まない 死亡直後の行動チェックリスト(○△×判定)
| 行動 | 判定 | 根拠・注意点 |
|---|
| 葬儀費用を被相続人の預金から支払う | △ | 社会的に相当な範囲なら処分にあたらないとした裁判例があるとされるが、グレー。金額と領収書の保管が重要 |
| 葬儀費用を香典・自己資金から支払う | ○ | 相続財産を使っていないため影響しない |
| 被相続人名義の預金を解約・引き出す | × | 民法921条1号の処分行為の典型。放棄が認められないおそれが高い |
| 公共料金の口座引落しを止める(解約手続き) | △ | 契約の解約は債務の処分にあたる可能性。名義変更や供給停止の連絡にとどめ、支払いは自己資金で |
| 携帯電話・サブスクを解約する | △ | 債務の増加を防ぐ保存行為と評価される余地はあるが、解約金の支払いは自己資金で行う |
| 賃貸住宅を解約し部屋を明け渡す | × | 賃借権(財産)の処分にあたるおそれが強い。放棄予定なら先に相談を |
| 遺品を持ち帰る・処分する(経済的価値あり) | × | 貴金属・骨董品・家電などは処分行為。写真・手紙など財産的価値のない物にとどめる |
| 自動車の名義を変更する | × | 処分行為の典型。価値がほぼない車の廃車でも事前確認を |
| 受取人指定のある死亡保険金を受け取る | ○ | 受取人固有の財産で相続財産に含まれない(放棄しても受け取れる) |
| 受取人が「被相続人」の死亡保険金を受け取る | × | 相続財産に含まれるため、受領は処分行為にあたる |
| 遺族年金・未支給年金を請求する | ○ | 遺族固有の権利として受給資格者に支給されるもの |
| 葬祭費・埋葬料を受け取る | ○ | 葬祭を行った者に支給される給付で、相続財産ではない |
| 高額療養費の還付金を受け取る | △ | 被相続人が世帯主・被保険者本人だった場合は相続財産となる可能性がある。受領前に確認を |
| 被相続人の債務を自分のお金で返済する | △ | 自己資金なら処分行為ではないが、債権者に「相続する意思」と受け取られる余地がある。放棄予定は伝えて支払わないのが安全 |
| 何もせず3か月放置する | × | 期間経過で単純承認とみなされる(民法921条2号)。「様子見」が最悪の選択 |
横スクロールできます
注意判断に迷ったときの行動原則は「遺産に触らない・払わない・もらわない」の3つです。この原則を守っている限り、法定単純承認のリスクはほぼ避けられます。
続柄別の必要書類|戸籍の広域交付が使えるかで手間が変わる
| 申述人 | 必要な被相続人の戸籍の範囲 | 先順位者の死亡記載戸籍 | 広域交付 | 戸籍の想定通数 | 所要日数の目安 |
|---|
| ①配偶者 | 死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本 | 不要 | ○ | 1〜2通 | 3日〜1週間 |
| ②子 | 死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本 | 不要 | ○ | 1〜2通 | 3日〜1週間 |
| ③孫(代襲相続人) | 死亡の記載のある戸籍+被代襲者(親)の死亡記載戸籍 | 必要(被代襲者) | ○ | 2〜4通 | 1〜2週間 |
| ④父母・祖父母(直系尊属) | 出生から死亡までのすべての戸籍 | 子全員が放棄・死亡した記載 | ○ | 4〜8通 | 1〜3週間 |
| ⑤兄弟姉妹 | 出生から死亡までのすべての戸籍 | 直系尊属の死亡記載戸籍も必要 | × | 6〜12通 | 3週間〜1か月半 |
| ⑥甥・姪(代襲) | 出生から死亡までのすべての戸籍+被代襲者の出生から死亡までの戸籍 | 直系尊属+被代襲者 | × | 8〜16通 | 1〜2か月 |
横スクロールできます
※必要書類の範囲は裁判所(最高裁判所)「相続の放棄の申述」(2026)の一覧、広域交付の可否は改正戸籍法(令和6年3月1日施行)に基づく。通数・日数は本籍の異動回数によって変動します。
- 相続放棄申述書(裁判所「相続の放棄の申述書(成人)」(2026)から書式・記載例をダウンロード可)
- 被相続人の住民票除票または戸籍附票
- 申述人の戸籍謄本
- 収入印紙800円分(申述人1人につき)
- 連絡用の郵便切手(東京家裁は110円×4枚=440円分。裁判所ごとに異なる)
放棄すべきかの判断基準|単純承認・限定承認との比較
| 選択肢 | 内容 | 向いているケース | 期限 | 令和6年の件数 |
|---|
| 単純承認 | プラスもマイナスも全て相続 | 資産が負債を明確に上回る | 手続き不要(3か月経過で自動的に確定) | ——(手続き不要) |
| 限定承認 | プラスの範囲内でのみ負債を弁済 | 資産と負債のどちらが多いか不明 | 3か月以内・相続人全員で申立て | 690件 |
| 相続放棄 | 初めから相続人でなかったことになる | 負債が明らかに多い/関わりたくない | 3か月以内・単独で申述可能 | 308,753件 |
| 期間の伸長 | 熟慮期間を延ばす | 3か月では調査が終わらない | 熟慮期間内に申立て | 9,791件(認容率約94.6%) |
横スクロールできます
※件数はいずれも令和6年司法統計年報 3家事編 第2表・第3表(2025)の新受件数。
- [ ] 相続財産が全く存在しないと信じていた
- [ ] 被相続人との交際状態などから、相続財産の調査を期待するのが著しく困難な事情があった
- [ ] そう信じたことに相当な理由がある
補足相続登記は2024年4月1日施行の改正不動産登記法で義務化され(相続を知り所有権取得を知った日から3年以内、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料)、施行前の相続も対象で猶予期限は2027年3月31日です。相続放棄すれば初めから相続人でなかったことになるため、この義務からも外れます。
受理後の実務|通知書と証明書の使い分け、次順位への連絡
| 書類 | 交付回数・費用 | 主な使い道 |
|---|
| 相続放棄申述受理通知書 | 1回のみ交付・再発行不可(無料) | 手元保管用。債権者への一次連絡はコピーの送付で足りることが多い |
| 相続放棄申述受理証明書 | 1通150円(収入印紙・申請人1人につき) | 金融機関の手続き、不動産の登記関係、正式な証明を求められた場面 |
横スクロールできます
注意受理証明書には、上位記事がほとんど触れていない2つの落とし穴があります。 大阪家庭裁判所家事訟廷記録係「相続放棄申述受理証明書の申請について(利害関係人申請用)」(2026)によると——
①すでに相続放棄した人は、民法939条により相続人としての利害関係を失うため、同じ被相続人について他の親族の受理証明書をまとめて取ることは原則できません。 子3人が放棄した場合、1人が3人分を一括申請することはできず、各自が自分の分を申請する必要があります。
②事件番号・受理年月日が分からない場合は、先に「相続放棄・限定承認の申述の有無についての照会」を行う必要があります。受理通知書を紛失すると、この照会から始めることになります。通知書は必ず保管してください。
次の相続で慌てないための予防策
- 財産リストの作成と共有:預貯金口座・不動産・借入・保証債務を一覧化し、保管場所を家族で共有します。特に保証債務は本人しか知らないことが多く、最優先で確認したい項目です。
- 不動産の出口を生前に決める:使い道のない土地は、生前の売却や相続土地国庫帰属制度の検討など、「次の世代に渡さない」選択肢を早めに話し合います。前述のとおり同制度の承認率は約47%のため、要件を満たす土地かの確認が先です。
- 生命保険の活用:受取人が指定された死亡保険金は受取人固有の財産とされ、相続放棄をしても受け取れます。ただし、放棄した人は相続税の非課税枠(500万円×法定相続人数)を使えない点に注意が必要です。
- 次順位者への連絡ルールを決める:法律上の連絡義務はありませんが、黙っていると親族間トラブルの火種になります。「放棄したら次順位へすぐ知らせる」を家族の共通認識にしておきましょう。
相談先の使い分け
| 相談先 | 向いているケース | 費用の目安 |
|---|
| 家庭裁判所の窓口 | 書類の書き方・手続きの流れ・郵便切手の額の確認 | 無料(法律相談は不可) |
| 法テラス | 収入等の条件を満たす方の無料法律相談 | 無料(同一案件3回まで) |
| 市区町村の無料法律相談 | 「放棄すべきか」の方針確認 | 無料(30分程度・弁護士が担当することが多い) |
| 司法書士 | 戸籍収集・書類作成のサポート | 3万〜5万円程度 |
| 弁護士 | 3か月超過・債権者対応・代理を任せたい | 5万〜10万円程度 |
横スクロールできます
関連記事
次に読むと、この記事の判断がしやすくなります。
よくある質問
最終確認日:2026年8月19日
関連記事