遺品のお焚き上げ方法は?結論は3ステップ
全体の流れ(所要期間の目安)
- 相続の確認(1〜2日):相続放棄・限定承認を検討中なら、財産的価値のある品には触れずに専門家へ相談します。
- 仕分け(半日〜数日):通帳・実印・貴金属・権利証・パソコン等を抜き、次に電池内蔵品・引火物・刀剣・剥製など「受け付けてもらえない品」を分けます。
- 受付先の決定(1日):神社への持ち込み、郵送キット、品目単価型の業者から選びます。
- 梱包と申込み(1日):3辺合計サイズで料金が変わるため、詰め方を最適化します。
- 供養・証明書の受領(1〜4週間程度):郵送型は供養日が決まっていることが多く、証明書は後日届きます。
費用のイメージ
| 出し方 | 目安の実額 |
|---|---|
| 神社に少量を持ち込み | 1,000円〜 |
| 段ボール1箱を郵送 | 4,400〜15,400円 |
| 位牌・遺影など品目ごと | 1,100〜8,800円 |
| 仏壇(3辺150〜300cm) | 8,800〜25,300円 |
そもそも遺品のお焚き上げとは?法律上はどう扱われる?

法律上は「例外」として認められている
逆に言えば、個人が自宅の庭で遺品を焼くのは原則として違法です。埼玉県の解説によると、違反した場合は5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方(法人は3億円以下の罰金)が定められています。「自分でお焚き上げする」という選択肢は、基本的に取れないと考えてください。
「全部燃やしてもらえる」わけではない
「どんど焼きに持って行けば無料」という前提も崩れつつあります。灰の飛散や防火、住民理解の問題から、地域のどんど焼き(左義長)を縮小・終了する事例が出ています(2026年1月・神奈川新聞の報道など)。当てにする前に、自治会や主催者に開催の有無を確認してください。
始める前の準備|出してはいけない遺品を先に抜く
ステップ1:相続に関わる品を抜く
- 通帳・キャッシュカード・印鑑(特に実印)
- 現金・商品券・金券類
- 貴金属・宝飾品・時計・骨董品
- 不動産の権利証・保険証券・有価証券
- パソコン・スマートフォン(デジタル遺品。データ消去後に自治体回収や小型家電リサイクルへ)
形見分けのつもりで貴金属を持ち帰る行為も、法定単純承認に当たるおそれがあるとされています。判断に迷う品が1つでもあるなら、お焚き上げの申込みより先に専門家への相談を優先してください。
ステップ2:物理的に受け付けてもらえない品を抜く
ステップ3:郵送できるかを確認する
判定チャート|その遺品、お焚き上げに出していい?
- はい → 財産的価値のある品には触れず、弁護士・司法書士へ。処分は法定単純承認(民法921条1号)に当たるおそれがあります。ここで一度停止してください。
- いいえ → Q2へ
- 混ざっている → 抜き取ります。デジタル遺品はデータ消去後に自治体回収・小型家電リサイクルへ。
- 混ざっていない → Q3へ
- 含まれる → 郵送ルートは使えません。電池・引火物は自治体ルールで処分。刀剣は警察署・教育委員会へ届出。剥製は登録証を確認のうえ、受け入れ可否を個別相談。
- 含まれない → Q4へ
- ある → その品を受け付ける先を選びます(例:出雲大社埼玉分院は位牌・パソコン・家電リサイクル法対象品を受け付けていません)。位牌は品目単価型の業者(白木位牌1,100円など)が確実です。
- ない → Q5へ
- 手のひらサイズ数点 → 神社へ持ち込み(出雲大社埼玉分院:持ち込み1,000円/メール便サイズ郵送1,300円)
- 段ボール1〜3箱 → 郵送キット型、または神社郵送(100サイズ5,000円/150サイズ10,000円/200サイズ15,000円)
- 仏壇・神棚・家財ごと → 品目単価型の業者、または遺品整理業者のオプション供養
Q1で「はい」になった方は、以降のステップに進まないでください。相続放棄の期間は原則として相続開始を知った時から3か月です。お焚き上げより先に、期限のある手続きの相談を済ませてください。
依頼先の比較|遺品のお焚き上げはお寺・神社と業者どちらがいい?
3ルートの実額比較表
| 比較項目 | ①神社に直接持ち込み<br>(出雲大社埼玉分院) | ②郵送キット型<br>(みんなのお焚き上げ) | ③品目単価型<br>(市民のお焚き上げ供養) |
|---|---|---|---|
| 費用(実額) | 持ち込み1,000円/メール便サイズ郵送1,300円/100サイズ5,000円/150サイズ10,000円/200サイズ15,000円/祈祷付き12,000円〜 | レターサイズ〜ボックスサイズ(3辺100〜170cm)の段階料金/人形供養パック(3辺200cm) | 白木位牌1,100円/遺影(額付き)3,300円/仏具一式3,850円/人形類8,800円/詰め合わせ3辺40cm 4,400円〜160cm 15,400円/仏壇8,800〜25,300円 |
| 対応サイズ上限 | 200サイズ(45L袋3つ相当) | 人形供養パック 3辺合計200cm(1〜4箱) | 仏壇3辺300cmまで |
| 受け付けない品 | 位牌、パソコン、家電リサイクル法対象品、医療機器、危険物、引火物、生き物、遺骨、所持禁止品 | 配送規約に反する品(電池内蔵品等)。割れ物は郵便局で断られる場合あり | 刀(届出必要)、薬物・針・医療品は不可。剥製は登録証確認 |
| 供養証明書 | 神社での祈祷・供養に対応 | 料金に発行を内包 | 対応あり(申込時に要確認) |
| 所要日数 | 持ち込み当日受付 | 申込→キット到着→発送→供養→証明書で数週間 | 発送・引取後に供養 |
| 立会いの可否 | 祈祷付きプランで可能 | 不可(郵送のみ) | プランにより異なる |
| 向いているケース | 近隣に住み、少量を安く確実に出したい | 遠方・多忙・外出が難しい | 位牌・仏壇・神棚など大物や特定品目がある |
※料金は各サービスの2026年8月時点の公開情報にもとづく参考値です。申込前に必ず最新の料金と条件をご確認ください。
郵送キット型の中身と注意点
遺品整理業者のオプション供養を選ぶ場合
国民生活センターは2018年7月19日の報道発表「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」で、遺品整理サービスに関する相談が2013年度73件、2014年度109件、2015年度90件、2016年度114件、2017年度105件と継続して寄せられ、見積もり外の追加請求・高額なキャンセル料・遺品の不適切な処分などのトラブルがあると注意を呼びかけています。
- 供養費が別料金か込みか(「供養サービス付き」の表記だけでは判断できません)
- 追加料金が発生する条件(品数超過・階段作業・当日追加など)
- キャンセル料の発生時期と金額
- 供養証明書の発行有無と、不燃物の処理方法
費用シミュレーション|まとめる・分けるで6,050円変わる
ケースA:位牌・遺影・仏具・人形を出す
| 品目 | 単価 |
|---|---|
| 白木位牌・過去帳等 | 1,100円 |
| 遺影写真(額付き) | 3,300円 |
| 仏具一式 | 3,850円 |
| 人形類 | 8,800円 |
| 合計 | 17,050円 |
ケースB:人形が多くて箱が大きくなる
| 3辺合計 | 料金 |
|---|---|
| 40cm以下 | 4,400円 |
| 50cm以下 | 6,600円 |
| 80cm以下 | 8,800円 |
| 100cm以下 | 11,000円 |
| 140cm以下 | 13,200円 |
| 160cm以下 | 15,400円 |
梱包の最適化で1段階下げる
神社持ち込みとのトレードオフ
仏壇・神棚は別枠です。仏壇は3辺150cm以下8,800円、250cm以下14,300円、280cm以下19,800円、300cm以下25,300円。神棚は3辺100cm以下8,800円、150cm以下11,000円とされています(市民のお焚き上げ供養)。仏壇を出す場合は、閉眼供養(魂抜き)のお布施5,000〜10,000円程度(小さなお葬式の目安)が別途かかることも見込んでおきます。
つまずきやすいポイントと対処法
郵送しようとしたら受け付けてもらえない
位牌やパソコンが対象外だった
見積もりより高額になった
遠方の実家の遺品整理でお焚き上げしたい
遠方の場合でも、Q1(相続の確認)を飛ばさないでください。実家に不動産や借金がある場合、家財の処分が法定単純承認とみなされるおそれがあるとされています。
効率化・応用のコツ|宗派・ペット遺品・東京での探し方
浄土真宗では「魂抜き」と言わない
ペット遺品のお焚き上げはペット霊園が実務的
ペットの遺骨は、多くの神社・お焚き上げ業者で受け付けていません。出雲大社埼玉分院も遺骨は対象外としています。遺骨はペット霊園・納骨堂へ相談してください。
東京で遺品のお焚き上げ先を探すときの絞り込み
- 位牌・仏壇を受け付けるか(最も分かれる条件)
- 持ち込み可能な時間帯と予約要否(例:出雲大社埼玉分院は9:00〜17:00・年中無休・予約不要と案内)
- 供養証明書の発行有無
- 不燃物の処理方法を明記しているか(明記があるほど運用が誠実な傾向)
注意点・リスク|相続・トラブル・時期の落とし穴
相続の分岐は取り返しがつかない
お焚き上げは急ぐ必要のない手続きです。一方、相続放棄の申述には原則3か月の期限があります。期限のあるほうを先に片付けるのが鉄則です。
契約トラブルを避ける
時期の前提が変わっている
需要は増えている
具体例・ケーススタディ
ケース1:母の遺品を少量、近所の神社へ
ケース2:仏壇じまいで位牌・遺影・仏具をまとめて
ケース3:借金の有無が不明な父の遺品
3つのケースの金額はいずれも2026年8月時点の公開料金にもとづく試算です。実際の費用は品数・サイズ・地域・受付先の規定により変わります。必ず見積もりで確認してください。




