まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
- 自分は様子見でよいか:MSDマニュアルの警戒すべき徴候で分けます
- なぜ今日だけ起きたか:同じ「コーヒー」でも量が違う理由を見ます
- いつ抜けるか:半減期の幅と、長引く条件を確かめます
注意
この記事は一般的な情報で、診断ではありません。持病のある人、薬を飲んでいる人、妊娠中の人は、医師や薬剤師に相談してください。
様子見でいい?いま確かめる3段階
| 段階 | 当てはまる状態 | 行動 |
|---|---|---|
| ① 救急車 | 失神した、胸が痛い、息切れがある | 119番 |
| ② 直ちに救急受診 | 動悸がいまも続いている。または、ふらつき、胸の圧迫感、脈拍120回/分以上か45回/分未満、心臓の病気がある、血縁者に突然死した人がいる、運動中に起きた | 救急医療機関を受診する。救急車が必要か迷うときは#7119 |
| ③ 電話で相談 | 警戒すべき徴候がなく、動悸がすでに止まった、またはたまにしか起きない | かかりつけ医に電話で相談する。どのくらい急いで受診するかは医師が判断する |
脈を測る
待つあいだにすること
注意
眠気防止薬(錠剤)を飲んだあとの動悸は、③に当てはまる場合でも、早めに医療機関へ相談してください。理由は後の章で説明します。
いつもは平気なのに、なぜ今日だけバクバクした?

商品が違えば、量も違う
重ねてとっていた
- コーヒーのあとにエナジードリンクを飲んだ
- カフェイン入りの風邪薬や鎮痛薬を飲んだ(箱の成分表で確認できます)
- お酒と一緒にエナジードリンクを飲んだ
慣れていても、反応の出方は変わる
カフェインが抜けるまで何時間?半減期3〜6時間の幅
| 条件 | 半減期への影響 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 喫煙している | 短くなる | 吸わない人より早く抜ける側と考えられる |
| 妊娠中 | 長くなる | 食品安全委員会も、妊娠中はカフェインの消失が著しく遅くなるというWHOの勧告を紹介している |
| 経口避妊薬を使っている | 長くなる | 午後のカフェインは控えめにする |
| フルボキサミンを飲んでいる | 長くなる | 飲み合わせを薬剤師に確認する |
| CYP1A2の遺伝子の違い | 人によって長くも短くもなる | 家族や友人と同じ量で比べない |
計算してみると
- 半減期3時間:18時に100mg、21時に50mg
- 半減期6時間:21時に100mg、翌3時に50mg
今日の量をラベルから見積もる
| 飲み物 | 1杯の量(仮定) | カフェイン |
|---|---|---|
| ドリップコーヒー | 150mL | 90mg |
| インスタントコーヒー | 140mL | 約80mg |
| 玉露 | 60mL | 96mg |
| 紅茶 | 150mL | 45mg |
| せん茶 | 150mL | 30mg |
| エナジードリンク | 1本 | ラベルの100mLあたり×容量÷100 |
| 品名「コーヒー」のボトル缶 | 1本 | 60mg×容量÷100×1.2〜1.4 |
- 健康な成人:1回200mg、1日400mgまで
- 妊婦:1日200mg(EFSA)、300mg(WHO・カナダ保健省)
- 18歳未満:1回あたり体重1kgにつき3mgまで(体重40kgなら120mg)
例:ボトル缶とエナジードリンク各1本
- 朝:品名「コーヒー」のボトル缶400mL → 60mg×4=240mg。補正すると約290〜340mg
- 昼:エナジードリンク250mL(ラベルが100mLあたり32mgと仮定)→ 80mg
- 合計:約370〜420mg
錠剤・エナジードリンク・10代で注意が変わる点
眠気防止薬(錠剤)
エナジードリンクと10代
妊娠中
受診するときのメモと、次から避ける飲み方
伝える5項目
- とった商品名・量・時刻
- 動悸が始まった時刻と、続いた時間
- 脈拍数と、リズムの乱れがあったか
- ほかの症状(震え、吐き気、めまいなど)
- ふだん飲んでいる薬やサプリメント
次から避ける飲み方
- 品名「コーヒー」の大容量ボトルは、一度に飲みきらず分ける
- 半減期を考え、寝る時刻から逆算して夕方以降は控える
- 薬を飲んでいるなら、カフェインとの飲み合わせを薬剤師に確認する
- 動悸を繰り返すなら、カフェインを含まない麦茶などに替える
よくある質問
一度おさまれば、病院に行かなくていい?
水をたくさん飲めば早く抜ける?
デカフェなら動悸は起きない?
- MSDマニュアル家庭版「動悸」(2024年8月更新) https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/06-%E5%BF%83%E8%87%93%E3%81%A8%E8%A1%80%E7%AE%A1%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E5%BF%83%E8%87%93%E3%81%A8%E8%A1%80%E7%AE%A1%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97%E3%81%AE%E7%97%87%E7%8A%B6/%E5%8B%95%E6%82%B8
- Uehlein S, et al. Caffeine Intoxication: An Analysis of Published Case Reports, 1883–2023. Dtsch Arztebl Int(2025年) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12620904/
- 総務省消防庁「救急安心センター事業(#7119)」 https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html
- 厚生労働省『食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A』 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000170477.html
- 農林水産省『カフェインの過剰摂取について』 https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/risk_analysis/priority/hazard_chem/caffeine.html
- 内閣府 食品安全委員会 ファクトシート『食品中のカフェイン』(2018年2月23日更新) https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/factsheets_caffeine.pdf
- 国民生活センター『飲料のカフェイン含有量に関する調査』(2021年11月4日公表) https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20211104_3.pdf
- 日本経済新聞(日本中毒学会の調査を報道、2019年) https://www.nikkei.com/nstyle-article/DGXKZO42512290V10C19A3TCC000/
- 国立医薬品食品衛生研究所『食品安全情報』カフェイン関連 https://www.nihs.go.jp/dsi/food-info/chemical/caffeine/caffeine_2.pdf
※この記事は医療上の診断・治療に代わるものではありません。症状が気になるときは、医師・薬剤師に相談してください。




