家族葬費用相場は96万円|香典減で実質負担が逆転する話
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家族葬費用相場は96万円|香典減で実質負担が逆転する話

家族葬の費用相場は、総額でおおむね96万円前後(株式会社鎌倉新書「第7回お葬式に関する全国調査」2026年で96.39万円)とされています。ただし、この数字は「葬儀社に支払う金額」であって、あなたの手元から最終的に出ていく金額(実質自己負担)ではありません

家族葬は参列者を絞る分、香典収入も大きく減ります。一般葬(平均122.01万円)との総額差25.62万円を、香典の減少が食いつぶしてしまうケースがあるのです。さらに火葬料は2026年4月から自治体差が拡大し、東京23区と公営火葬場のある地域とでは数万円のベース差が生じています。

この記事では、相場の数字を出して終わりにせず、「A:総支出 − B:回収額 = 実質自己負担」 を人数別に計算し直します。まず結論からお伝えします。

ポイント

家族葬の相場は96.39万円(2026年調査)。しかし香典収入・公的給付・自治体別の火葬料を差し引いて計算すると、実質自己負担は参列者10人で約60〜75万円、20人で約65〜80万円が目安です。「総額が安い=手出しが少ない」とは限りません。

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家族葬費用相場はいくら?まず何をすべきか

家族葬の費用相場は総額96.39万円ですが、まずやるべきは「総額の比較」ではなく「見積書の明細を2社以上から書面でもらうこと」です。相場を知っても、明細を確認しなければ請求額は相場から離れていきます。

株式会社鎌倉新書「【第7回】お葬式に関する全国調査」(2026年、直近2年以内に喪主経験のある40歳以上2,000名対象)によると、葬儀形態別の平均費用は次のとおりです。

葬儀形態平均総額実施割合家族葬との差
一般葬122.01万円30.2%+25.62万円
家族葬96.39万円47.0%
一日葬74.43万円11.9%−21.96万円
直葬・火葬式49.56万円10.8%−46.83万円
(全形態平均)96.73万円

内訳は全形態平均で、基本料金72.02万円/飲食費11.67万円/返礼品費13.03万円です。家族葬の96.39万円は前回調査比で+6.49万円と、全形態のなかで最も上げ幅が大きくなっています。「家族葬は安い」という前提そのものが、いま揺らいでいるということです。

いま最初にやるべき3つのこと

結論として、着手順は「①仮払い→②相見積もり→③明細確認」です。

  1. 現金の確保:故人の口座は死亡が金融機関に伝わると凍結されます。民法909条の2の仮払い制度なら、家庭裁判所の許可なく「死亡時残高×法定相続分×1/3(1金融機関あたり上限150万円)」まで引き出せます。
  2. 2社以上に見積もりを依頼:鎌倉新書の調査では、87.1%の喪主が相見積もりを取らず1社のみで決定しています。ここが価格差の最大要因です。
  3. 総額表示だけの見積書を受け取らない:明細(搬送距離、安置日数、火葬料の内外)を必ず書面で確認します。
注意

病院で紹介された葬儀社にそのまま依頼すると、比較の機会を失います。搬送だけを依頼して、葬儀本体は別途検討する——という進め方も可能です。搬送費のみの精算になるか、事前に確認してください。

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なぜ「家族葬だから安い」が崩れるのか?主な原因を深掘り

なぜ「家族葬だから安い」が崩れるのか?主な原因を深掘り

家族葬が相場より高くなる主因は「香典収入の激減」「火葬料の自治体差」「見積外費用の後乗せ」の3つです。価格表の問題ではなく、構造の問題です。

国民生活センターは2026年6月3日に「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル−『家族葬だから安い』と思っていませんか?−」を公表し、この誤解を名指しで注意喚起しました。

葬儀サービスに関する相談件数は2025年度917件(2019年度632件、2022年度951件、2024年度978件)と高止まりし、そのうち家族葬に関する相談の割合は2019年度33.2%から2025年度52.6%へ上昇しています。(国民生活センター、2026年6月3日公表)

相談の半分以上が家族葬というのは、家族葬が最多の形態(47.0%)であること以上に、期待と実額のギャップが大きいことを示しています。

原因1:香典収入が総額差以上に減る

参列者を10人減らすと、香典も10人分消えます。ここが最大の落とし穴です。

一般葬と家族葬の総額差は25.62万円。しかし一般葬で50人が参列し、うち親族10人(1人3万円)・一般40人(1人5,000円)が香典を包んだ場合、香典収入は30万円+20万円=50万円です。家族葬10人(親族8人・一般2人)なら24万円+1万円=25万円。香典の減少幅25万円が、総額差25.62万円をほぼ相殺してしまいます。

原因2:火葬料が住所地で数万円変わる

2026年は火葬料の制度変更が重なった年です。東京23区では東京博善が区民葬儀から脱退し火葬料が87,000円に。これを受けて特別区長会が2026年1月16日に助成制度創設を発表し、2026年4月から大人27,000円(満6歳以下15,000円)を上限に助成、実質負担は約60,000円となりました(日本経済新聞報道)。札幌市も2026年4月1日以降の火葬から市民の火葬が有料化されています(札幌市「斎場利用のご案内」)。

公営火葬場が使える地域では火葬料が数千円〜1万円台のことも多く、同じ「家族葬プラン」でも住所地でベースが数万円違います。

原因3:見積書に載らない費用が後から乗る

国民生活センターの事例では、「30万円程度の見積もりが80万円の請求に」「50万円表示から総額200万円超」といった乖離が報告されています。お布施・火葬料・式場使用料・ドライアイス追加は、プラン料金の外に置かれることが多い費目です。

まとめ

相場より高くなる原因は、葬儀社の価格設定より「香典が減る構造」「住所地の火葬料」「見積外費目」にあります。3つとも事前に計算・確認できるものです。

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原因別の見分け方|自分のケースはどれに当てはまるか

見分けるカギは「香典を受け取るか」「火葬場は公営か民営か」「見積書に火葬料が含まれているか」の3つの質問です。この3問で、自分の実質負担がどの方向にブレるか判定できます。

30秒診断チャート

以下のQ1〜Q5に順に答えてください。終端に想定総額レンジと実質自己負担レンジを示します。

Q1. 参列者は何人ですか?

  • 10人未満 → Q2へ(Aルート)
  • 10〜20人 → Q2へ(Bルート)
  • 20人以上 → Q2へ(Cルート)

Q2. 式の形は?

  • 通夜+告別式(二日葬) → 基本料金は標準
  • 一日葬(告別式のみ) → 基本料金 −10〜20万円/ただし返礼品費の比重が相対的に上がる
  • 火葬のみ(直葬) → 基本料金 −30万円前後

Q3. 菩提寺がありますか?

  • ある → お布施が別途発生(葬儀社見積の外。金額は寺院に直接確認)
  • ない・無宗教 → お布施0円

Q4. 香典を受け取りますか?

  • 受け取る → 回収額が増える(下の試算の「香典あり」列)
  • 辞退する → 回収額は公的給付のみ。実質自己負担は数十万円単位で増えます

Q5. 公営火葬場が使える地域ですか?

  • 使える → 火砕料の負担は小さい
  • 民営のみ(東京23区など) → 火葬料87,000円−助成27,000円=実質約60,000円

終端の目安

ルート想定総額レンジ実質自己負担レンジ増えやすい費目
A(10人未満・二日葬)70〜90万円45〜70万円式場使用料(人数が減っても定額)
B(10〜20人・二日葬)85〜105万円60〜80万円飲食・返礼品(人数比例)
C(20人以上・二日葬)100〜125万円65〜85万円接待費/葬儀後の弔問対応
一日葬×20人70〜90万円55〜75万円飲食を省く分、返礼品が相対的に重い
香典辞退上記と同じ上記+20〜50万円回収額が公的給付のみになる

公営火葬場の有無は、厚生労働省の全国火葬場データベースで運営主体(公営/民営)を確認できます。

補足

香典を辞退すると「香典返しの手間がない」というメリットはありますが、金銭的には回収額がゼロになります。辞退は費用ではなく気持ちの問題として判断するのが実情に合っています。

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具体的な解決方法|実質自己負担シミュレーション

実質自己負担は「A:総支出 − B:回収額」で計算します。参列者20人の家族葬なら、総支出約103万円に対し回収額約34万円で、実質約69万円というのが標準的な姿です。

以下は鎌倉新書の基本料金72.02万円を基準に、式場規模を人数で調整した試算です。飲食費は1人5,000円、返礼品費は1人3,000円で計算しています。

参列者数別・実質自己負担シミュレーション(火葬料は全国的な公営目安2万円、東京23区は別記)

費目5人10人20人30人一般葬50人
①葬儀基本料金50.0万60.0万72.0万80.0万88.0万
②飲食費(5,000円×人数)2.5万5.0万10.0万15.0万25.0万
③返礼品費(3,000円×人数)1.5万3.0万6.0万9.0万15.0万
④火葬料(公営目安)2.0万2.0万2.0万2.0万2.0万
⑤お布施(無宗教なら0円)0万0万0万0万0万
【A】総支出56.0万70.0万90.0万106.0万130.0万
⑥香典収入(親族3万/一般5千円)12.0万25.0万34.0万43.0万50.0万
⑦葬祭費・埋葬料▲5.0万▲5.0万▲5.0万▲5.0万▲5.0万
【B】回収額合計17.0万30.0万39.0万48.0万55.0万
【実質自己負担 A−B】39.0万40.0万51.0万58.0万75.0万
(参考)香典辞退の場合51.0万65.0万85.0万101.0万125.0万

※香典の内訳想定:5人=親族4+一般1/10人=親族8+一般2/20人=親族10+一般10/30人=親族14+一般16/50人=親族10+一般40。①は鎌倉新書の基本料金72.02万円(全形態平均)を20人規模の基準として、式場規模で増減させた仮定値です。⑦は横浜市・大阪市・さいたま市の国民健康保険葬祭費50,000円および協会けんぽ埋葬料50,000円に基づきます。

この表から読み取るべき2点

1. 香典辞退の家族葬20人(85.0万円)は、香典ありの一般葬50人(75.0万円)より手出しが多い。 これが冒頭で述べた「総額は安いのに実質負担が逆転する」構造です。総額で見れば家族葬90万円 < 一般葬130万円ですが、実質では逆転します。

2. 参列者を5人から10人に増やしても、実質負担はほぼ変わらない(39.0万→40.0万)。 香典収入が飲食・返礼品の増加をほぼ相殺するためです。「人を減らせば減らすほど安くなる」わけではありません。

ポイント

費用を下げたいなら、削るべきは参列者数ではなく基本料金(式場・祭壇・オプション)です。参列者を1人減らしても実質負担はほとんど動きませんが、公営斎場の利用や祭壇グレードの見直しは数十万円単位で効きます。

公的給付は必ず申請する

請求しなければ1円も入りません。時効はいずれも2年です。

  • 国民健康保険の葬祭費:横浜市50,000円/大阪市50,000円/さいたま市50,000円。東京23区は7万円。申請先は故人の住所地の区市町村。時効は葬祭を行った日(の翌日)から2年。
  • 健康保険(協会けんぽ)の埋葬料:一律50,000円。埋葬を行った生計維持関係者に支給。時効は死亡日の翌日から2年。
  • 後期高齢者医療制度の葬祭費:広域連合からの基本支給5万円(例:埼玉県広域連合)。東京都では広域連合5万円+区独自上乗せ2万円=7万円の自治体(目黒区・世田谷区・豊島区)もあります。

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ケース別の対処|家族葬10人・20人の費用相場は?

人数別に見ると、家族葬10人の実質自己負担は約40万円、20人は約51万円が目安です(前掲シミュレーション、香典ありの場合)。ただし人数が変わっても動かない費目と、比例して動く費目を分けて考える必要があります。

家族葬10人の費用の相場は?

10人規模の総支出は約70万円、実質自己負担は約40万円が目安です。

10人だと参列者はほぼ親族のみになります。特徴は次の3点です。

  • 式場使用料が割高に感じる:小規模式場でも定額のため、1人あたり単価は上がります。
  • 飲食を省略しやすい:会食を行わず、折詰の持ち帰りにすれば飲食費を半減できます。
  • 香典が親族中心で単価が高い:親族1人3万円想定なら、10人でも25万円前後の回収が見込めます。

家族葬20人の費用相場は?

20人規模の総支出は約90万円、実質自己負担は約51万円が目安です。相場の96.39万円に最も近いのがこの規模です。

20人になると、親族に加えて故人と親しかった友人・知人が入ります。ここから飲食・返礼品が人数比例で効いてきます。飲食5,000円+返礼品3,000円=1人8,000円なので、10人増えれば8万円増です。会食を行うか否かが、この規模の分岐点になります。

家族葬儀費用の相場を都市別に見ると

火葬料と公的給付を差し引いた「ベース負担」は、住所地で数万円違います。2026年4月時点の状況を整理します。

自治体火葬料(市民)2026年の改定火葬料助成国保葬祭費差引ベース負担
東京23区(民営・東京博善)87,000円区民葬儀脱退で87,000円に27,000円(満6歳以下15,000円)70,000円▲10,000円
横浜市公営(市内料金)変更情報なし50,000円大幅に軽い
さいたま市公営(市内料金)変更情報なし50,000円大幅に軽い
大阪市公営(市内料金)変更情報なし50,000円大幅に軽い
札幌市16,000円(12歳以上)※市外54,000円2026年4月1日から有料化各区で確認従来より16,000円増

※東京23区の助成は、区民葬儀メニューの祭壇または霊柩車の利用など条件があります。横浜市・さいたま市・大阪市の火葬料は各市の公営斎場料金体系によるため、実額は各市公式ページでご確認ください。札幌市は2026年4月1日以降の火葬に新料金が適用されます。

注意

火葬場は原則として住所地の公営施設が優先され、市外料金は市民料金の3倍以上になることがあります(札幌市の例:市民16,000円/市外54,000円)。故人の住所地と葬儀を行う場所が違う場合は、必ず事前に確認してください。

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予防・再発防止のコツ|見積書チェックリスト13項目

請求額の乖離を防ぐ最短手段は「見積書を書面でもらい、13の後乗せ費目を1つずつ潰すこと」です。国民生活センターの相談類型と全葬連ガイドラインに沿って一覧化しました。

全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)の葬祭サービスガイドライン(平成19年5月制定)は、料金体系の明確化と見積書交付を葬祭事業者の義務とし、見積書記載内容に変更・追加が生じた場合は見積書と請求書の差異およびその理由を説明しなければならないと定めています。つまり「聞く権利」は制度上保証されています。

確認項目入っていないと後で加算される内容
1. 搬送距離の上限kmと超過単価病院→安置所→式場の3区間で超過が発生しがち
2. 安置日数とドライアイス追加単価1日ごとの加算。火葬場が混雑すると日数が伸びる
3. 式場使用料の時間区分と延長料通夜・告別式で区分が分かれることがある
4. 火葬料が「実費別途」か「含む」か東京23区なら87,000円の差
5. 骨壺・棺のグレード変更差額当日の現物確認で変更を勧められやすい
6. 会葬者数の増減で変動する飲食・返礼品の単価と精算方法見積人数と実数のどちらで精算するか
7. お布施・戒名料は葬儀社見積の外寺院へ直接。葬儀社に金額の目安を聞く
8. 心付け・深夜早朝加算深夜搬送は割増になることがある
9. 遺影写真の加工・額装基本プラン外のことが多い
10. マイクロバス・ハイヤー家族葬でも火葬場移動で必要になる場合あり
11. アフター費用(後飾り祭壇・仏具)葬儀後に別請求されることがある
12. キャンセル/プラン変更時の規定事前契約している場合は特に確認
13. 見積書と請求書に差異が出た場合の説明手順全葬連ガイドラインで説明義務あり

国民生活センターは、葬儀費用について「総額表示だけでなく、必ず明細の入った見積書を書面で受け取り、含まれない費用を確認すること」を消費者に呼びかけています。(国民生活センター、2026年6月3日公表)

事前準備をしておくだけで結果が変わる

鎌倉新書の調査によると、喪主の63.8%が葬儀の事前準備をしていなかったと回答しています。準備がない状態で、悲しみのなか半日で数十万円の判断を迫られるのが実態です。

最低限、元気なうちに次の3つを決めておくだけで違います。

  1. 葬儀社を2社リストアップし、資料請求だけ済ませておく
  2. 菩提寺の有無と、お布施の目安を確認しておく
  3. 住所地の火葬場が公営か民営かを調べておく

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専門家・公的情報の見解|支払い実務と税務

支払い実務でまず押さえるべきは「死亡直後に口座が凍結される」ことと「仮払い制度で最大150万円まで引き出せる」ことです。ここを知らないと、立て替えで数十万円を用意することになります。

口座凍結と仮払い制度

金融機関が名義人の死亡を把握すると、その口座は凍結され、遺産分割協議が終わるまで原則として引き出せません。ここで使えるのが民法909条の2の相続預貯金の払戻し制度です。

  • 引き出せる額:死亡時残高 × 法定相続分 × 1/3
  • 上限:1金融機関あたり150万円
  • 家庭裁判所の許可は不要(金融機関の窓口で手続き)

例えば残高900万円・法定相続分1/2の配偶者なら、900万円×1/2×1/3=150万円まで引き出せます。葬儀費用の当座に充てられる金額です。

相続税の葬式費用控除で「引けないもの」

葬儀費用は相続財産から控除できますが、国税庁のタックスアンサーNo.4129によると、次のものは控除対象外です。

  • 香典返しのためにかかった費用
  • 初七日などの法事のための費用(※葬儀と同日に行う繰上げ初七日は含められるとされています)
  • 墓石・墓地の購入費や借入費用

「香典は非課税、だから香典返しも経費」と考えてしまいがちですが、控除できません。領収書を分けて保管しておくことをおすすめします。

注意

葬儀費用の領収書・明細書は、相続税申告で必要になります。お布施のように領収書が出ない支払いは、日付・金額・支払先をメモに残しておいてください。相続税の申告が必要かどうかを含め、判断に迷う場合は税理士にご相談ください。

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やってはいけないNG対応

最も避けるべきは「1社の見積もりだけで即決する」「総額表示だけで契約する」の2つです。実際、相見積もりを取らなかった喪主は87.1%にのぼります。

  1. 1社即決:鎌倉新書の調査で87.1%が該当。比較していないので、その金額が妥当か判断する材料がありません。搬送だけ依頼して一度冷静になる時間を作ってください。
  2. 総額表示だけで契約:国民生活センターの事例では、30万円の見積もりが80万円の請求になったケースが報告されています。明細のない見積書は受け取らないでください。
  3. 費用を惜しんで参列者を極端に絞る:前掲のとおり、5人と10人で実質負担はほぼ変わりません。むしろ後日の弔問対応・香典への返礼・自宅対応が分散発生し、葬儀後にコストと手間が積み上がります
  4. 香典辞退を「節約」と考える:辞退すると回収額が公的給付のみになり、実質負担は20〜50万円増えます。辞退は節約策ではありません。
  5. 葬祭費・埋葬料を申請し忘れる:時効は2年。5万〜7万円が受け取れるのに、申請しなければゼロです。
  6. 香典返しの領収書を葬儀費用と混ぜる:相続税の控除対象外なので、分けて保管します。
まとめ

NG対応の共通点は「比較しない」「確認しない」「申請しない」の3つです。どれも費用の問題ではなく、意思決定プロセスの問題です。相場を知ることより、この3つを実行するほうが金額への影響は大きくなります。

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よくある質問

Q1. 葬儀費用の家族葬の相場は、地域でどれくらい変わりますか?

火葬料の差で数万円、公的給付の差で最大2万円が変わります。 東京23区は民営火葬場の火葬料87,000円(2026年4月から助成27,000円で実質約60,000円)である一方、公営火葬場が使える地域では数千円〜1万円台のことも多くあります。国保の葬祭費も横浜市・大阪市・さいたま市が5万円、東京23区が7万円と差があります。基本料金の地域差もあるため、必ず地元の葬儀社2社以上から見積もりを取ってください。

Q2. 家族葬で香典は辞退したほうがいいですか?

金銭面だけで言えば、辞退すると実質自己負担は20〜50万円増えます。 香典返し(一般に半返し)の手間はなくなりますが、回収額が公的給付のみになるためです。ただし香典は本来「相互扶助」の慣習であり、費用対策として判断するものではありません。辞退する場合は訃報連絡の時点で明記し、それでも持参された方への対応方針(受け取る/お断りする)を家族で決めておくとスムーズです。

Q3. 家族葬の費用は誰が払うのが一般的ですか?

喪主が支払い、後日に相続財産や兄弟姉妹間で精算するケースが多いとされています。 支払いは葬儀後1週間〜10日以内の現金または振込が一般的で、故人の口座は凍結されているため喪主の立て替えになりがちです。民法909条の2の仮払い制度(1金融機関あたり上限150万円)を使えば、故人の預貯金から当座を用意できます。誰の負担とするかで揉めやすいので、支払い前に相続人間で方針を共有しておくことをおすすめします。

Q4. 見積もりより請求額が高くなった場合、どうすればいいですか?

まず葬儀社に差異の理由の説明を求めてください。説明義務が定められています。 全葬連の葬祭サービスガイドライン(平成19年5月制定)では、見積書記載内容に変更・追加が生じた場合、見積書と請求書の差異およびその理由を説明しなければならないとされています。納得できない場合は、消費者ホットライン「188」(いやや)または最寄りの消費生活センターにご相談ください。見積書・請求書・契約書を手元に用意してから相談すると話が早く進みます。

Q5. 家族葬の費用を安くする一番効果的な方法は何ですか?

参列者を減らすことより、基本料金(式場・祭壇・オプション)を見直すことです。 前掲のシミュレーションのとおり、参列者を5人から10人に増やしても実質自己負担はほぼ変わりません(香典収入が飲食・返礼品の増加を相殺するため)。一方、公営斎場の利用、祭壇グレードの見直し、一日葬への変更は10〜20万円単位で効きます。基本料金は総額の約7割(全形態平均で72.02万円/96.73万円)を占める最大費目です。

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まとめ|相場の数字より、あなたの実質負担を計算する

  • 家族葬の費用相場は総額96.39万円(鎌倉新書、2026年調査)。前回比+6.49万円と上昇中です。
  • ただし手元から出る実質自己負担は「総支出 − 香典収入 − 公的給付」。10人で約40万円、20人で約51万円が目安です。
  • 香典を辞退した家族葬20人(85万円)は、香典ありの一般葬50人(75万円)より手出しが多くなり得ます。
  • 火葬料は2026年に東京23区・札幌市で制度変更があり、住所地で数万円のベース差が生じています。
  • 相見積もりを取らない喪主は87.1%。ここが相場から乖離する最大の原因です。

まずやることは1つです。2社以上から、明細の入った見積書を書面でもらってください。 そのうえで、この記事の13項目チェックリストを1つずつ潰していけば、請求額が大きくブレることはまずありません。

注意

本記事の費用試算は、公表統計をもとにした一般的な目安であり、実際の金額は葬儀社・地域・時期により異なります。火葬料・葬祭費・助成制度は改定される場合がありますので、必ず各自治体および葬儀社の公式情報でご確認ください。相続税・遺産分割に関する個別の判断は、税理士・弁護士などの専門家にご相談ください。

主な参照元

  • 株式会社鎌倉新書「【第7回】お葬式に関する全国調査(2026年)」
  • 国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル−『家族葬だから安い』と思っていませんか?−」(2026年6月3日公表)
  • 国税庁 タックスアンサー No.4129 相続財産から控除できる葬式費用
  • 全国健康保険協会(協会けんぽ)埋葬料・埋葬費
  • 横浜市・大阪市・さいたま市・札幌市 各公式サイト
  • 全日本葬祭業協同組合連合会 葬祭サービスガイドライン
  • 厚生労働省 全国火葬場データベース

最終確認日:2026年8月4日

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