- 相続放棄・限定承認を検討中か(民法921条1号の「相続財産の処分」に当たると放棄できなくなるおそれ=そもそも着手してはいけない人がいる)
- 実家の自治体が、市外在住の子による代理搬入を認めるか(豊田市は「他人(親戚・知人であっても)のごみは搬入できません」と明記、千葉市は身分確認書類があれば可。結論が正反対)
- 家電4品目のメーカーはどこか(2026年にリサイクル料金が値下げと値上げに分かれ、エアコン1台で約480円の差)
注意相続放棄・限定承認を検討している方は、片付けを始める前に本記事の「着手する“前”に通す3分岐チャート」のQ1をお読みください。家財を処分すると相続放棄ができなくなるおそれがあります。
実家の片付けにかかる費用はいくらくらいですか?
間取り別の費用相場と、幅が生まれる理由
| 間取り | 業者依頼の目安 | 作業人数・日数の目安 |
|---|
| 1R・1K | 3万〜10万円 | 1〜2名/半日 |
| 1DK・1LDK | 6万〜18万円 | 2名/半日〜1日 |
| 2DK・2LDK | 10万〜30万円 | 2〜3名/1日 |
| 3DK・3LDK | 18万〜45万円 | 3〜4名/1〜2日 |
| 4LDK以上・一軒家 | 25万〜60万円超 | 4名以上/2日〜 |
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「見積書の金額」と「実質負担」は違います
実質負担 = A業者作業費 + B家電リサイクル料金 + C収集運搬料金 + D自治体の粗大ごみ手数料 + E自分が現地へ行く費用 - F買取額 - G自治体補助金 - H税効果
着手する“前”に通す3分岐チャート|ここで総額が決まります
Q1:相続放棄・限定承認を検討していますか?
- 期限:相続の開始を知った時から原則3か月(熟慮期間)
- 先にやること:弁護士・司法書士へ相談。片付けは保存行為(現状を維持する範囲)にとどめる
- この分岐で動く金額:借金を承継するか否かの差。片付け費用の数十万円とは桁が違います
Q2:実家の自治体は、市外在住者の代理搬入を認めますか?
- 実家のある市区町村のサイトで「自己搬入」を検索する
- 次の記載があるか確認する
- (a)「市内で発生したごみに限る」
- (b)「本人または家族以外のごみは持ち込み不可」「他人のごみは搬入できません」
- (a)や(b)の記載あり=代理搬入は不可。例:豊田市は「豊田市内で発生したごみ(一般廃棄物)に限る」「他人(親戚・知人であっても)のごみは搬入できません」と明記しています(豊田市「自己搬入 ごみを直接処理場へ持ち込む場合」2025年)
- 代理可の明記あり=可。例:千葉市は、市外在住者が市内の親族宅のごみを代理搬入する場合も、代理人の身分証明書と排出者本人の身分がわかるもの(写しや公共料金の領収書等)の提示で持ち込めるとしています(千葉市「ごみの自己搬入に関するQ&A」2025年)
- 親が存命なら、親名義で粗大ごみ収集を申し込む(排出者=親本人になる)
- 親または実家に住む親族に同行してもらう
- 戸別の粗大ごみ収集に切り替える(点数分の手数料と待ち日数が発生)
- 許可業者に依頼する
Q3:家電4品目(エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機)はありますか?
| 区分 | 内容 | 適用時期 |
|---|
| 値下げ | パナソニック、パナソニック(三洋)、東芝ライフスタイル、ダイキン工業、コロナのエアコン:税込990円→550円 | 2026年2月1日〜(2026年4月30日まで経過措置) |
| 値上げ | 長府製作所、トヨトミ、リンナイ、ハイアールジャパン、アクア、良品計画などのエアコン:990円→1,034円等 | 2026年4月1日〜(同上) |
| 指定法人料金へ移行 | JVCケンウッド、アピックス、モダンデコ、オウルテック、テンツウ等が2026年3月31日で製造等終了 | 2026年3月31日〜 |
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実家の片付け 業者 費用と自力ルートを、同じ荷物で並べます
| 項目 | A:自分で自治体施設へ自己搬入 | B:自治体の戸別粗大ごみ収集 | C:民間の遺品整理・不用品回収業者 |
|---|
| 手数料の単価根拠 | 千葉市270円/10kg(税別)、豊田市200円/10kg、八潮市250円/10kg(2026年4月改定後) | 品目別手数料+収集運搬料(八潮市は2026年4月から800円) | 作業費・車両費・処分費の一括見積 |
| 600kg分の処分費(小計) | 千葉市16,200円/豊田市12,000円/八潮市15,000円 | 品目数により変動(点数×品目別手数料) | 総務省調査では見積書は10万〜40万円に集中 |
| 家電4品目 | 別途(RKC料金+指定引取場所への運搬) | 対象外(家電リサイクル法の対象) | パック料金でもリサイクル料は別途が多い |
| 所要日数・立ち会い | 予約不要の自治体あり(千葉市)/自分で運搬 | 申込〜収集まで数日〜2週間、立会いが必要な場合あり | 半日〜2日で完了 |
| 市外在住者でも使えるか | 自治体により不可(豊田市は親戚・知人のごみも不可/千葉市は身分確認書類で可) | 排出者名義で申込めば可の場合が多い | 可 |
| 出典 | 千葉市/豊田市/八潮市 各公式サイト | 各自治体公式サイト | 総務省行政評価局(2020年) |
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※Aの小計は600kg÷10×単価で機械的に算出した概算です。正確な額は搬入時の実測計量で確定します。
注意相場表の数字より先に、実家のある自治体の最新手数料ページを開いてください。改定は年度替わりに実施されることが多く、収集予約日や持込日が改定日以降なら新料金が適用されます。
実費積み上げ計算式|業者見積との損益分岐はどこか
総額 = (A)処分費 + (B)家電リサイクル料金 + (C)収集運搬料・運搬手段費 + (D)現地へ行く費用 - (E)買取査定額
各項目の入れ方
| 品目 | 概算重量 |
|---|
| 段ボール1箱 | 約10kg |
| 2ドア冷蔵庫 | 約30kg |
| タンス1棹 | 約40kg |
| 布団1組 | 約5kg |
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※あくまで概算です。正確な額は搬入時の実測計量で確定します。
損益分岐の判定式
業者見積額 -(A+B+C)< D なら、業者に頼んだ方が安い
計算の外側にある3つのコスト
- この費用は相続税の債務控除の対象外です。国税庁 タックスアンサー No.4126(2025年)によると、相続財産から控除できる債務は被相続人の死亡時に存在した確実な債務に限られます。相続開始後に相続人が発生させる遺品整理・片付け費用はこれに当たらないため、「相続財産から出せば節税になる」というのは誤りです。
- 売却時は空き家3,000万円特別控除で回収を検討できます。国土交通省(2024年)によると、相続した空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除は2027年(令和9年)12月31日までの譲渡が対象で、昭和56年5月31日以前建築の家屋等が要件です。令和6年1月1日以後の譲渡では、譲渡の翌年2月15日までに耐震改修または家屋全部の取壊しを行った場合も対象に拡充されました。
- 放置すると固定資産税が上がります。改正空家法(令和5年12月13日施行)により「管理不全空家等」に認定され勧告を受けると、固定資産税・都市計画税の住宅用地特例が解除されます(越谷市の解説より)。住宅用地特例は課税標準を軽減する制度のため、外れると土地の税負担が増えます。
悪質業者の見分け方|見積書のどこを見れば分かる?
確認1:許可の有無
- 見積書・ウェブサイトに記載された許可番号を控える
- 実家のある市区町村の「一般廃棄物収集運搬業許可業者一覧」と照合する
- 一致しない、番号がない、「産業廃棄物の許可」しか示されない場合は依頼を見送る
注意「古物商許可」は買取の許可であって、ごみの収集運搬の許可ではありません。許可の種類のすり替えに注意してください。
確認2:明細の粒度
確認3:増額条件が書面にあるか
費用以外に押さえる期限|2026〜2027年に3つ重なります
| 期限 | 内容 | 根拠 |
|---|
| 2027年3月31日 | 2024年4月1日より前に発生した相続の相続登記申請期限。正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象 | 政府広報オンライン/法務省 |
| 2027年12月31日 | 相続空き家の3,000万円特別控除の適用期限 | 国土交通省 |
| 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日 | 上記特別控除の個別期限(起算は相続開始日) | 国土交通省 |
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解体まで視野に入るなら補助制度の確認を
やってはいけないNG対応
NG1:放棄を検討中なのに片付けを始める
NG2:自治体サイトを確認せずに「自分でやれば安い」と決める
NG3:古い家電リサイクル料金表で予算を組む
NG4:相続人の1人が黙って立て替える
NG5:訪問見積もりを取らずに契約する/繁忙期に慌てて依頼する
よくある質問
Q1. 実家の片付けにかかる費用はいくらくらいですか?
Q2. 実家の片付け費用は誰が払うのが正しいですか?
Q3. 実家の片付け 業者 費用と自分でやる場合、どちらが安いですか?
Q4. 市外に住んでいますが、実家のごみを自分で処理場に持ち込めますか?
Q5. 片付け費用は相続税で控除できますか?
Q6. すぐに片付けられません。放置するとどうなりますか?
まとめ
注意本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の法律判断・税務判断を行うものではありません。相続放棄や限定承認の可否、税制の適用可否、補助金の該当性、自治体の搬入ルールは個別事情および各自治体の運用により異なります。判断に迷う場合は、弁護士・司法書士・税理士、および実家のある市区町村の担当課に必ずご確認ください。制度内容や料金は改正・改定される場合があります。
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