結論:空き家に警備会社は必要?まず何をすべきか
- 電気の契約が生きているか確認する。大和ハウスリアルエステートの公式サイトは、ALSOK提携の「リブネス空き家管理サービス」について「本サービスのご提供には、電気の契約が必要」と明記しています(通信は4G回線)。電気を止めた空き家には、機械警備をそもそも設置できません。
- 保有予定年数を数字で決める。1年以内なのか、相続手続きで3年なのか、当面5年以上なのかで最適解が変わります。
- 敷地に何が残っているか棚卸しする。室外機・給湯器・アルミ材・仏具・現金。残置物の中身で、必要な補償額も変わります。
「警備会社」と「空き家管理」は別物です
- 警備会社のホームセキュリティ:センサーが侵入・火災を検知し、異常時に警備員が駆けつける。異常が起きた瞬間を守る。
- 空き家管理サービス(巡回代行):月1〜2回の通水・換気・投函物整理・報告書。劣化と近隣苦情を防ぐ。
注意「警備会社に頼めば全部やってくれる」という前提で契約すると、通水・換気がオプション(セコムは月1回9,500円〜、税込10,450円〜)で別料金だと後から気づきます。見積書は必ず「基本料金+オプション」の内訳で受け取ってください。
なぜ今、空き家の被害が急増しているのか
数字で見る「5年連続増加」
- 侵入窃盗:11,958件(前年比+2,644件、+28.4%)
- 非侵入窃盗(敷地内等からの窃取):1,934件(前年比+494件、+34.3%)
被害品が「貴金属」から「室外機」へ広がった
| 区分 | 主な被害品 | 認知件数 | 前年比 |
|---|
| 侵入窃盗 | 貴金属・宝石等 | 1,053件 | +32.8% |
| 侵入窃盗 | 家電製品類 | 391件 | +18.5% |
| 侵入窃盗 | 金属類 | 330件 | +27.4% |
| 非侵入窃盗 | エアコン室外機 | 702件 | +12.3% |
| 非侵入窃盗 | その他の機械器具等 | 731件 | +63.2% |
| 非侵入窃盗 | 金属類 | 227件 | +57.6% |
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注意空き家での窃盗の検挙率は41.0%(令和7年、前年比-2.4ポイント)です。つまり被害の約6割は犯人が捕まっていません。「盗られたら警察が取り返してくれる」という前提では設計できないということです。
補足母数も増えています。総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」(2024年公表)によれば、全国の空き家は900万戸で過去最多、空き家率13.8%も過去最高。うち放置されやすい「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」は385万戸で、2018年の349万戸から37万戸増えました。
空き家防犯で「守れるリスク」と「守れないリスク」の見分け方
リスク×対策手段のマトリクス
| 守りたいリスク | (A)ALSOKるすたく基本 月7,700円 | (B)ALSOKるすたくセキュリティパック 月11,000円 | (C)セコム空き家レンタル 月8,470円+初期69,960円+保証金20,000円 | (D)リブネス(大和ハウス×ALSOK)戸建 月11,000円 | (E)巡回型管理NPO 月2,750円〜+セルフ防犯カメラ |
|---|
| (1)屋内への侵入窃盗(貴金属・仏具・家財) | △ 月1回見回りのみ | ◎ 検知+警備員駆けつけ | ◎ 全国約2,500拠点が対処 | ◎ 24時間機械監視付き | △ 録画は事後確認だけ |
| (2)敷地内の室外機・給湯器・金属類の盗難 | × 屋内センサー主体で対象外・要確認 | × 屋内センサー主体で対象外・要確認 | × 屋内センサー主体で対象外・要確認 | × 屋内センサー主体で対象外・要確認 | ○ 屋外カメラ設置なら撮影可 |
| (3)放火・不審火 | × 常時監視なし | ◎ 火災センサーが24時間検知 | ◎ 火災監視+駆けつけ | ◎ 火災検知を含む | × 事後の記録のみ |
| (4)水漏れ・凍結破損・カビ | △ 換気は上位プラン | △ 換気パック 月18,700円 | △ 通気通水は別途10,450円〜 | ○ 月1回60分点検に含む | ○ 巡回内容次第で対応可 |
| (5)雑草・越境枝など近隣苦情 | ○ 見回りで把握可能 | ○ 見回りで把握可能 | △ 報告範囲を要確認 | ○ 点検報告で把握可能 | ○ 巡回報告の主目的 |
| (6)管理不全空家としての勧告リスク | ○ 管理実態の記録が残る | ○ 管理実態の記録が残る | △ 管理系はオプション前提 | ○ 定期点検記録が残る | ◎ 低コストで管理実績を確保 |
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※各社公式サイトの記載(ALSOK公式/セコム公式/大和ハウスリアルエステート公式、2026年9月時点確認)に基づく整理です。金額はすべて税込表示。行(2)については各社とも屋外設置物の扱いを明示していないため、契約前に「屋外の室外機は検知・補償の対象か」を必ず個別確認してください。
補償の上限も「建物の内側」が軸
補足東京都は2025年度から家庭用防犯機器の購入費補助を強化する方針を継続しており、2026年度も「東京都防犯機器等購入緊急補助事業」として区市町村経由で防犯カメラ・カメラ付きインターホン・防犯フィルム等が補助対象です。町田市は2026年4月1日〜12月25日購入分を対象に受付中とされています。自治体によって条件が異なるため、お住まいの区市町村の最新情報をご確認ください。
空き家管理の費用はいくら?実質年額の計算式
ケース①:1年以内に売却する空き家
| 項目 | ALSOKるすたく基本 | セコム空き家レンタル |
|---|
| 月額×12 | 7,700円×12=92,400円 | 8,470円×12=101,640円 |
| 初期費用 | 0円 | 工事料69,960円+保証金20,000円 |
| 電気基本料金 | 14,400円 | 14,400円 |
| 実質年額 | 106,800円 | 206,000円 |
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ケース②:相続後3年保有する空き家
- 8,470円×12+23,320円+14,400円=約139,360円/年
ケース③:5年超保有するなら買取とレンタルどちらが得か
火災保険の割引は「引ける」が「率は未公表」
注意上記金額はいずれも各社公式サイトの税込表示に基づく試算です。建物の広さ・センサー数・地域によって実際の見積は変わります。数値は目安としてご覧いただき、最終判断は取得した見積書で行ってください。
ケース別の対処:5問の判定チャート
Q1〜Q5の判定フロー
- NO → 機械警備は物理的に導入不可(リブネス公式が電気契約必須と明記/通信は4G回線)。巡回型管理+物理対策(室外機のアンカー固定・防犯砂利・センサーライト)ルートへ進んでください。
- YES → Q2へ。
- YES → 5年契約+保証金型(セコム)は中途解約で解約金+保証金20,000円が戻らないため不利です。1年契約・初期0円型(ALSOKるすたく)を軸に検討を。
- NO → Q3へ。
- YES → 屋内センサーでは守れません。売却まで使わないなら先に撤去する、または屋外カメラ/固定金具を別建てで追加してください。
- NO → Q4へ。
- YES → 駆けつけ契約より、巡回+近隣連絡網で足りる可能性があります。出動料(ALSOK 1回3,300円)の想定回数で費用を再計算してみてください。
- NO → 駆けつけ体制のある機械警備の価値が高まります。セコムは全国約2,500拠点を緊急対処の拠点としています。
- YES → 機械警備+盗難補償(セコムは盗難50万円/家財最大200万円)を優先。
- NO → まず残置物の撤去がコスパ最善です。守るものがなければ、狙われる理由も減ります。
契約前に警備会社へ聞く7つの質問
- 屋外設置物(室外機・給湯器)は検知・補償の対象になりますか?
- 盗難補償の上限額と免責金額はいくらですか?
- 出動料は月額に含まれますか、別途ですか?(ALSOKるすたくは1回3,300円が別建て)
- 最低契約期間と、中途解約金の算定方法は?
- 保証金の返還条件は?(セコムは契約満了時返却/5年未満解約では返還されない扱い)
- 電気を止めた場合、契約はどうなりますか?
- 売却時の名義変更・原状回復(壁穴補修など)の費用は誰が負担しますか?
空き家問題を悪化させない予防・再発防止のコツ
「管理不全空家」という新しいライン
物理対策は安くて効きます
- 室外機・給湯器の固定:アンカーボルトや固定金具で持ち去りの手間を増やす
- 防犯砂利:踏むと音が出る。夜間の敷地侵入への抑止
- センサーライト:人感で点灯。侵入者に「見られている」と思わせる
- 郵便物を溜めない:投函物の滞留は「無人」のサイン。巡回サービスの投函物整頓はここに効きます
- 雑草・越境枝の管理:近隣苦情の起点であり、管理不全空家の指摘要素にもなります
公的な相談先を先に使う
補足金属盗そのものへの法規制も動いています。「盗難特定金属製物品の処分の防止等に関する法律(金属盗対策法)」が2025年6月20日に公布され、犯行用具規制等が2025年9月1日から先行施行、2026年6月には特定金属くず買受業の届出制と本人確認・帳簿記載の義務化が全面施行されました。施行時点で既に営業している事業者の届出期限は2026年8月31日とされています(警察庁「金属盗対策」特設ページ)。換金ルートを絞る対策が進んでいる段階です。
注意税制・法令の運用は自治体によって異なり、改正もあります。固定資産税の具体的な取り扱いは、必ず物件所在地の市区町村の担当窓口でご確認ください。
専門家・公的情報が示す見解
窃盗犯の発生場所が「空き家」である認知件数は令和7年に13,971件となり、統計を取り始めた令和2年以降5年連続で前年を上回った。令和2年比では10,546件・307.9%の増加である。被害品では、非侵入窃盗におけるエアコン室外機702件(+12.3%)、その他の機械器具等731件(+63.2%)、金属類227件(+57.6%)の増加が目立ち、銅等の金属価格高騰による金属くず売却目的が要因と分析されている。
— 警察庁長官官房「令和7年の犯罪情勢」(2026年2月公表)
全国の空き家数は900万戸で過去最多、空き家率は13.8%で過去最高となった。賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家は385万戸で、2018年の349万戸から37万戸増加している。
— 総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」(2024年公表)
やってはいけないNG対応
- 「警備会社を入れたから室外機も安心」と思い込む
- 3年以内に売る予定なのに5年契約を結ぶ
- 月額だけで比較する
- 電気を止めたまま機械警備の見積を取る
- 家財・貴金属・仏具を残したまま放置する
注意「セコムのステッカーだけ貼る」といった見せかけの対策は、契約なしに他社の商標入り表示物を使うことになりかねず、抑止効果も限定的です。正規の契約か、自前のカメラ・センサーライトなど実体のある対策を選んでください。
よくある質問
Q1. 空き家の防犯は、警備会社に頼まないとダメですか?
Q2. 空き家のホームセキュリティ、ALSOKとセコムはどちらが良いですか?
Q3. 空き家の火災保険は、警備会社を入れると安くなりますか?
Q4. 空き家問題を放置すると、税金はどうなりますか?
Q5. 電気も水道も止めている空き家に、機械警備は付けられますか?
まとめ:3つの確認で決まります
注意本記事は公表資料に基づく一般的な情報の整理であり、個別の契約内容・補償範囲・税務の判断を保証するものではありません。料金・補償・契約条件は改定されることがあります。契約の可否や税負担については、各警備会社・保険会社・市区町村の担当窓口、必要に応じて税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。
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