まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
注意
この記事は一般的な情報で、診断の代わりにはなりません。胸の痛み・息苦しさ・気が遠くなる感じがあるときは、記事を読むより先に救急へ連絡してください。
結論:生理前の心拍数は何拍上がるのが普通?
| 研究 | 対象・測り方 | 結果 |
|---|---|---|
| 中村ほか(2002年・体力科学) | 女子大学生13名・あおむけで安静 | 卵胞期60.4bpm → 黄体期前期65.7bpm(差は+5.3bpm) |
| Shilaihほか(2017年5月2日・Scientific Reports) | 22〜42歳の女性91名・手首のバンド型センサーで睡眠中に計測 | 脈拍の中央値は月経期と比べ、妊娠しやすい時期で+2.1bpm、黄体期中期で+3.8bpm |
| Gonzalezほか(2026年5月25日・npj Digital Medicine) | WHOOP装着者2,596名・42,759周期 | 安静時心拍数は月経前後に最低、次の月経開始前にピーク |
ウォッチの数字が1日だけ高いときはどう読む?

比べるときにそろえる条件
- 同じ機種・同じアプリの値で比べる:この研究のWHOOPは、安静時心拍数を睡眠中の値から計算しています。ほかの機種も同じ計算方法とは限りません
- いつもとちがう日にメモを付ける:寝不足・飲酒・発熱などの日に印を付けておけば、あとでその日を外して計算し直せます
自分の上がり幅を計算する3ステップ
- A:月経1〜5日目の安静時心拍数の平均を出す(Gonzalezらの研究で低くなる時期)
- B:次の月経が始まる前5日間の平均を出す(同じ研究でピークの時期。次の生理が来てから振り返って出します)
- 上昇幅=B−A(bpm)、上昇率=(B−A)÷A×100(%)を計算する
結果の読み方
| 結果 | 読み取り方 | 次の行動 |
|---|---|---|
| +2〜5bpm程度 | 2件の研究で報告された差(+2.1〜5.3bpm)と同じくらい | 次の周期も同じ方法で計算する |
| 研究の差より大きい | 個人差や睡眠・体調の影響もあり、1周期だけでは判断できない | メモを付けた日を外して計算し直し、2周期目と比べる |
| Bが100bpm以上 | 頻脈の基準に当たる | 受診を検討する |
| Aの時点でも100bpm以上 | 周期以外の原因の可能性 | 内科で相談する |
生理前に心拍数が上がるのはなぜ?ピークの時期
周期の長さと年齢でも幅が変わる
研究のパターンが当てはまらない人
補足
ホルモン避妊薬を使っている人は、数字の読み方を処方した医師に相談しましょう。
受診を考えるのはどんなとき?
- 胸痛・息苦しさ・めまい・失神がある → すぐ救急へ
- 安静時に100以上が続く/誘因なく突然120以上になる/脈が飛ぶ → 循環器内科
- 月経中(A)も高く、周期と関係なく続く → 内科
- ナプキンが1〜2時間もたない、昼でも夜用を使う、レバー状の血の塊が出る → 婦人科(厚生労働省のマニュアルが挙げる過多月経の受診目安)
- 気分の症状で仕事や人間関係に支障が出ている → 婦人科(同マニュアルが挙げるPMSの受診目安)
脈が飛んでホルター心電図を受けるとき
- 装着の時期を合わせる:日本心臓財団は、生理前に脈が飛ぶ人の相談(2004年5月20日付)に、症状が起こりやすいときの24時間ホルター心電図を提案しています
- 症状の時刻を書く:ケンブリッジ大学病院の患者向け案内は、症状が出たら、モニターに表示された時刻とそのときの行動を日誌に書くよう求めています
注意
この章は相談先を考えるための目安で、診断ではありません。迷ったら、かかりつけ医に相談してください。
- 中村真理子ほか『若年女性の月経周期に伴う心臓自律神経活動動態』体力科学51巻(2002年)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm1949/51/3/51_3_307/_pdf
- Shilaih M. et al., Scientific Reports 7:1294(2017年5月2日)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5431053/
- Gonzalez A. et al., npj Digital Medicine(2026年5月25日)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13482339/
- 国立循環器病研究センター病院『不整脈』 https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/arrhythmia/
- 日本産科婦人科学会 女性ヘルスケア委員会『月経前症候群・月経前不快気分障害に対する診断・治療指針』(2025年3月31日)https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/PMS_PMDDshishin.pdf
- 厚生労働省『女性特有の健康課題に関する問診を活用した女性の健康管理支援実施マニュアル~事業者向け~』 https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/001634193.pdf
- 日本心臓財団 相談回答(2004年5月20日付) https://www.jhf.or.jp/check/opinion/10/2609s.html
- Cambridge University Hospitals『Ambulatory ECG monitor』 https://www.cuh.nhs.uk/patient-information/ambulatory-ecg-monitor/
最終確認日:2026年11月3日




