【初心者向け】親の介護準備の始め方7ステップ|費用・相談先まで解説
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【初心者向け】親の介護準備の始め方7ステップ|費用・相談先まで解説

親の介護準備で最初にやるべきことは、「親が元気なうちに、本人の希望・お金・相談先の3つを把握しておくこと」です。介護は脳卒中や転倒・骨折などをきっかけに、ある日突然始まることが少なくありません。準備がないと、情報を探すだけで疲れ果て、冷静な判断ができなくなってしまいます。

この記事は「何から手をつければいいのか分からない」という方に向けて、親の介護準備の全体像と7つのステップを、順番にかみくだいて解説するハウツーガイドです。読み終えるころには、「まず親と話す → 地域包括支援センターに相談する → お金と書類を整える」という具体的な道筋がはっきり見えるようになります。専門用語はできるだけ平易な言葉に言いかえているので、初めての方も安心して読み進めてください。

ポイント

介護準備は「介護が始まってから」ではなく「親が元気なうちから」が鉄則です。早く始めるほど選べる選択肢が増え、結果として費用も心の負担も軽くなります。

まず結論|親の介護準備は「7ステップ」で進める

親の介護準備は、親との対話 → 相談先の確認 → お金と書類の整理 → 制度の理解 → 認定申請 → ケアプラン作成 → 利用開始という7ステップで進めるのが、迷わない最短ルートです。

最初から完璧を目指す必要はありません。大切なのは「順番」です。いきなり施設を探したり、介護用品を買いそろえたりする前に、まず親の意思と情報を整理することで、その後の手続きが驚くほどスムーズになります。全体像を一覧にすると次の通りです。

ステップやることねらい
1親と「もしものとき」を話す本人の希望を確認する
2健康・生活状況を把握する現状と変化に気づく
3地域包括支援センターに相談プロの窓口を確保する
4お金・資産を確認・整理する費用の見通しを立てる
5要介護認定を申請する公的サービスの入口に立つ
6ケアマネとケアプラン作成必要なサービスを設計する
7サービス利用と役割分担持続できる体制をつくる

この7ステップは、必ずしも順番通りに一気に進める必要はありません。ステップ1〜4は親が元気なうちにできる「予防的な準備」、ステップ5〜7は実際に介護が必要になってから進める「実行フェーズ」と考えると整理しやすくなります。まずは1〜4だけでも着手しておくと、いざというときの初動が大きく変わります。

補足

「親はまだ元気だから関係ない」と思っている時期こそ準備の好機です。元気なうちにしか聞けない希望や資産情報があり、後から本人に確認できなくなる前に把握しておくことが重要です。

そもそも「親の介護準備」とは?何を準備するのか

そもそも「親の介護準備」とは?何を準備するのか

親の介護準備とは、「介護が必要になったときに慌てないための、情報・お金・体制づくり」のことで、大きく分けて4つの領域があります。漠然と「準備」と考えると不安になりますが、領域に分けると一つずつ着実に進められます。

準備すべき4領域は次の通りです。

  1. 親の意思・健康情報:どこで・どんな介護を受けたいか、持病やかかりつけ医、飲んでいる薬。
  2. お金:預貯金・年金・保険・不動産など、介護に使える資産の全体像。
  3. 相談先・制度:地域包括支援センター、ケアマネジャー、介護保険制度の仕組み。
  4. 家族の役割分担:誰が中心になり、誰が何を担うかという体制づくり。

ここで土台となるのが介護保険制度です。介護保険は40歳以上の人が加入し保険料を支払う公的制度で、原則65歳以上の人が「要介護認定」を受けると、費用の1〜3割の自己負担で訪問介護やデイサービスなどを利用できる仕組みとされています。40〜64歳の人も、末期がんや関節リウマチなど定められた特定疾病が原因の場合は対象になります。

認定には軽い順に要支援1・2、要介護1〜5の区分があり、数字が大きいほど必要な介護の度合いが重く、利用できるサービスの上限額も大きくなります。この区分が、その後使えるサービスや費用を左右する出発点になります。

注意

介護保険のサービスは、申請して認定を受けて初めて利用できます。「親が急に動けなくなったらすぐサービスが使える」わけではなく、申請から認定まで原則30日程度かかるとされています。早めの情報収集が肝心です。

「介護は、家族だけで抱え込むものではありません」——多くの自治体や地域包括支援センターが、まず公的な相談窓口に頼ることを勧めています。

始める前に揃えておきたい準備・必要なもの

本格的に動き出す前に、親の基本情報・お金の在り処・健康状態の3点をひとまとめにしたメモを用意しておくと、その後のあらゆる手続きが一気にラクになります。手続きのたびに探し回る時間を、まとめて減らせるからです。

具体的に用意・確認しておきたいものを一覧にしました。

カテゴリ用意・確認するもの
本人確認健康保険証、介護保険被保険者証、マイナンバー
健康お薬手帳、かかりつけ医、持病・既往歴
お金預貯金口座、年金、生命・医療保険、不動産
連絡先親族・兄弟姉妹、近所の人、主治医の連絡先
重要書類実印・印鑑、通帳の保管場所、各種契約書

なかでも見落としがちなのが介護保険被保険者証です。これは65歳になると市区町村から自動的に郵送される、薄い緑やオレンジなどのカードで、要介護認定の申請時に必要になります。「どこにしまったか分からない」というケースが多いので、早めに保管場所を確認しておきましょう。

また、親の希望や資産をまとめる「エンディングノート」や情報共有メモを一冊用意しておくと便利です。市販のノートでも、ノートアプリでも構いません。重要なのは、いざというときに家族の誰が見ても分かる状態にしておくことです。

ポイント

最初の一歩としておすすめなのは、「親の通帳・保険証券・かかりつけ医の3点の置き場所を聞いておく」ことです。この3つさえ分かれば、緊急時の対応力が一段上がります。

【手順】親の介護準備7ステップを順番に詳しく解説

ここからは実際の進め方を、親との対話から始まり、相談先の確保・要介護認定の申請・ケアプラン作成まで、7つのステップに分けて具体的に解説します。各ステップでつまずかないよう、やることと注意点をセットで紹介します。

ステップ1:親と「もしものとき」を話す まずは親本人の希望を聞くことが出発点です。「縁起でもない」と切り出しにくい話題ですが、「最近ニュースで見たんだけど」「自分たちのためにも」と前置きすると話しやすくなります。在宅で過ごしたいのか、施設も視野に入れるのか、延命やお金の希望など、答えにくければ一度で全部聞かなくて構いません。

ステップ2:親の健康・生活状況を把握する 持病、飲んでいる薬、最近の物忘れや歩行の変化などを確認します。離れて暮らしている場合は、帰省時に冷蔵庫の中身や郵便物の処理状況をさりげなく見ると、生活の変化に気づきやすくなります。

ステップ3:地域包括支援センターに相談する 地域包括支援センターは、高齢者の介護・福祉の総合相談窓口で、原則として中学校区ごとに設置されている公的機関です。保健師・社会福祉士・ケアマネジャーなどの専門職が無料で相談に乗ってくれます。「親の地域 + 地域包括支援センター」で検索し、親の住む市区町村の窓口を確認しておきましょう。介護準備で迷ったら、まずここに連絡するのが正解です。

ステップ4:お金・資産を確認・整理する 年金額、預貯金、保険、毎月の収支を把握します。介護費用は基本的に親本人のお金でまかなうのが原則です。子どもが自分の生活費を削って負担すると共倒れになりかねないため、まず親の資産で何ができるかを確認します。

ステップ5:介護保険の要介護認定を申請する 介護が必要になってきたら、市区町村の窓口か地域包括支援センターで要介護認定を申請します。申請後、認定調査員による訪問調査と主治医意見書をもとに審査が行われ、原則30日程度で認定結果が通知されるとされています。

ステップ6:ケアマネジャーを決めてケアプランを作る 認定が出たら、ケアマネジャー(介護支援専門員)を選びます。ケアマネは本人や家族の希望を聞き、どのサービスをどれだけ使うかをまとめたケアプランを作成してくれる、いわば介護の司令塔です。相性も大切なので、合わないと感じたら変更も可能です。

ステップ7:介護サービスを利用開始し、家族の分担を決める ケアプランに沿って、訪問介護やデイサービスなどの利用を始めます。同時に、家族間で「誰が連絡係か」「お金の管理は誰か」を決めておくと、後のトラブルを防げます。

注意

要介護認定の結果に納得できない場合もありますが、その時点で利用できるサービスの範囲が決まります。状態が変われば「区分変更申請」で見直しを求められるので、現状に合わないと感じたらケアマネに相談しましょう。

つまずきやすいポイントと対処法

介護準備でつまずく原因の多くは、「親が話に応じない」「お金の話を切り出せない」「自分だけで抱え込む」の3つに集約されます。どれも事前に対処法を知っておくだけで、ぐっと乗り越えやすくなります。

よくあるつまずきと、その対処法を整理しました。

つまずきよくある状況対処法
親が拒否する「まだ大丈夫」と取り合わない一度で説得せず、雑談から少しずつ。第三者(医師・ケアマネ)の言葉を借りる
お金の話が切り出せない親も子も遠慮して進まない「相続や手続きで困らないため」と目的を共有する
兄弟で揉める負担や費用が一人に集中役割と費用を最初に文書で見える化する
一人で抱え込む介護者が孤立し疲弊地域包括支援センターやケアマネに早めに頼る

特に多いのが、親が「自分はまだ介護なんて必要ない」と話を避けるケースです。これは本人のプライドや不安の裏返しでもあります。無理に説得しようとせず、親を否定しない姿勢が大切です。「将来の安心のために一緒に調べておきたい」という、味方としてのスタンスを伝えると、心を開いてくれやすくなります。

また、兄弟姉妹がいる場合は、早い段階で情報を共有しておくことが重要です。後から「勝手に進めた」「自分は聞いていない」という不満が出ると、介護そのものより人間関係で消耗してしまいます。

注意

「自分が我慢すればいい」という抱え込みは、もっとも危険なつまずきです。介護は数年単位で続くことが多く、介護者が倒れると共倒れになります。手を抜くのではなく、頼り先を増やすという発想に切り替えましょう。

介護準備を効率化・ラクにするコツ

介護の負担を減らす最大のコツは、「制度・サービス・道具・人」をフル活用し、自分一人で抱え込まないことです。使える資源を知っているかどうかで、心身の負担は大きく変わります。

効率化のために知っておきたい手立てを紹介します。

  • 公的な仕事との両立制度を使う:育児・介護休業法では、対象家族1人につき通算93日まで・3回まで分割して取得できる「介護休業」や、年5日(対象家族が2人以上なら10日)の「介護休暇」が定められているとされています。会社の制度も合わせて確認しましょう。
  • 情報共有アプリ・ノートを活用する:服薬・通院・お金の記録を家族で共有すると、二度手間や認識のズレを防げます。
  • 見守りサービスやICTを取り入れる:センサーや見守りカメラ、緊急通報サービスなどで、離れていても安否を確認しやすくなります。
  • レスパイト(休息)を意識する:ショートステイなどを使い、介護者が定期的に休む時間を確保します。

これらは「贅沢」ではなく、介護を長く続けるための必要経費と考えるのがコツです。特に仕事をしている人は、勤務先の人事や上司に早めに事情を伝え、使える制度を確認しておくと、急な対応にも慌てずに済みます。

補足

介護休業中は、一定の要件を満たすと雇用保険から「介護休業給付金」が支給される場合があるとされています。収入面の不安を軽くするためにも、勤務先やハローワークで条件を確認しておくと安心です。

知っておきたい注意点・リスク(お金・仕事・心身)

親の介護準備で特に注意したいのは、「介護離職」「想定外の費用」「介護者の燃え尽き」という3大リスクです。これらは事前に知っておくだけで、避けたり和らげたりできます。

まず費用面です。生命保険文化センターの調査(2021年度)によると、介護に要した費用は月々平均8.3万円、住宅改修や介護ベッドなどの一時費用が平均74万円で、介護期間の平均は約61.1か月(約5年1か月)とされています。あくまで平均値であり、状態や環境で大きく変わりますが、「数年続く・まとまったお金がかかる」という前提で見通しを立てることが大切です。

次に仕事との両立です。介護を理由に離職する「介護離職」は社会的にも大きな課題で、いったん仕事を辞めると収入が途絶え、再就職も難しくなりがちです。安易に退職を選ぶ前に、まず勤務先の両立支援制度や介護サービスを使い切れないか検討することが重要だとされています。

そして見落とされがちなのが、介護者自身の心身です。責任感の強い人ほど無理を重ね、介護うつや燃え尽きに陥りやすい傾向があります。

注意

お金・仕事・健康はいずれもYMYL(人生に重大な影響を与える領域)に関わります。本記事は一般的な情報であり、具体的な判断は地域包括支援センター・ケアマネジャー・社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーなどの専門家に必ず相談してください。

「介護離職は、本人にとっても社会にとっても損失が大きい」——多くの公的機関が、辞める前に制度活用の検討を促しています。

具体例・ケーススタディ(遠距離介護/突然の入院)

ここでは「遠距離介護のケース」と「突然の入院から介護が始まるケース」という2つの具体例で、準備の有無がどんな差を生むのかを見ていきます。自分の状況に近い例を参考にしてください。

ケースA:遠距離で暮らす母親(準備あり) 新幹線で3時間離れた実家に一人暮らしの母親。子は元気なうちに帰省のたびに少しずつ話し、母の希望(できる限り自宅)、通帳と保険証券の場所、かかりつけ医を把握していました。さらに実家の地域包括支援センターの連絡先も控えていました。ある日、母が軽い脳梗塞で入院。退院前に子はすぐセンターへ連絡し、要介護認定の申請から訪問介護・デイサービスの手配までを2週間ほどで進められました。事前情報があったことで、遠距離でも初動が早かったのがポイントです。

ケースB:突然の入院(準備なし) 同居の父親が転倒して大腿骨を骨折し、緊急入院。子は父の資産も保険も把握しておらず、退院後の生活をどうするかを病院から急に問われ、パニックになってしまいました。介護保険の存在は知っていても、どこに何を申請するか分からず、通帳の場所を探すところから始める羽目に。結果として退院までに体制が整わず、子が一時的に仕事を休んで対応することになりました。

2つのケースの違いは、能力や愛情ではなく「事前の準備があったかどうか」だけです。同じ突発的な出来事でも、情報と相談先を押さえているかで負担はまったく変わります。

まとめ

介護は「いつか」ではなく「突然」始まることがあります。親が元気な今のうちに、希望・お金・相談先の3点だけでも押さえておくことが、未来の自分と親を守る最善の準備です。

よくある質問

Q1. 親の介護準備は、いつから始めればいいですか? 「親が元気な今すぐ」が答えです。介護は突然始まることが多く、本人の希望や資産情報は元気なうちにしか確認できません。具体的な手続きは不要でも、親との対話と相談先の確認だけは早めに始めましょう。

Q2. 何から手をつければいいか分かりません。最初の一歩は? まず「親と話すこと」と「地域包括支援センターの場所を調べること」の2つです。介護に詳しくなくても、地域包括支援センターに相談すれば専門職が無料で道筋を示してくれます。一人で抱え込まず、公的窓口を起点にするのが安心です。

Q3. 介護費用は誰が払うのが基本ですか? 原則として親本人の年金や貯蓄でまかなうのが基本です。子が自分の生活費を削ると共倒れのリスクがあります。まず親の資産で何ができるかを確認し、不足分や負担の分担は兄弟姉妹で早めに話し合っておきましょう。

Q4. 仕事をしながら介護はできますか? 制度を活用すれば、両立は十分に可能です。育児・介護休業法の介護休業(通算93日・分割可)や介護休暇、勤務先の支援制度、介護サービスを組み合わせることで、安易な介護離職を避けられるとされています。まずは勤務先に相談しましょう。

Q5. 親が介護の話を嫌がります。どうすればいいですか? 一度で説得しようとせず、味方として少しずつが正解です。否定せず雑談から入り、医師やケアマネなど第三者の言葉を借りるのも有効です。「将来の安心のために一緒に調べたい」という姿勢を伝えると、応じてもらいやすくなります。

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本記事は一般的な情報の整理であり、個別の状況に応じた判断は、お住まいの市区町村・地域包括支援センター・ケアマネジャー・各種専門家にご相談ください。制度や金額は改正されることがあるため、利用時は最新の公的情報をご確認ください。

最終確認日:2026年6月22日

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