まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
終活でやることは3ステージ|まずやることは「棚卸し」で確定する
| ステージ | いつ発動するか | 主なやること | 本人が動けるか |
|---|---|---|---|
| ①元気なうち | 今 | 棚卸し/代理人届/遺言/贈与/デジタル整理 | ○ できる |
| ②判断能力低下後 | 認知症・脳梗塞など | 財産管理・入院手続き・不動産売却 | ✕ 代理の仕組みが要る |
| ③死後 | 死亡時 | 葬儀・納骨・解約・相続手続き | ✕ 誰かに託すしかない |
着手順(依存関係を踏まえた4ステップ)
- 財産・契約の棚卸し(預貯金・不動産・保険・有価証券・負債・サブスク)
- ②の空白を埋める書類(代理人届/財産管理委任/任意後見/死後事務委任)
- 遺言・贈与(分け方を決める。棚卸しが前提)
- 生前整理・断捨離(最後。書類が特定できてから捨てる)
注意
断捨離は最後です。 権利証、保険証券、年金証書、ID・パスワードのメモ、通帳を「古い紙」として捨てる事故が起きます。棚卸しで「何が資産の証拠か」を確定してから片づけてください。
【診断チャート】あなたが今日やるべき終活、最初の1手

| 分岐 | 状況 | 最初の1手(1つだけ) | 先にやってはいけないこと |
|---|---|---|---|
| A | 家族あり×不動産なし×60〜74歳 | 金融機関の代理人届を出し、財産一覧を作る。遺言は後 | 遺言から始めない(財産が確定していないと書き直しになる) |
| B | 家族あり×不動産あり×相続人2人以上 | 公正証書遺言で不動産の行き先を指定(分割不能資産が争点になるため) | 不動産の生前贈与を先に決めない(税負担の検証が先) |
| C | 家族あり×不動産あり×75歳〜 | 任意後見契約+遺言を同じ公証役場で同時に作る | 断捨離を先行させない(権利証を捨てる事故が最多) |
| D | 家族あり×不動産なし×〜59歳 | デジタル資産の棚卸し(サブスク・ネット口座・故人アカウント設定) | 保険の見直しを終活と混同しない |
| E | 家族なし×不動産あり | 任意後見+公正証書遺言+死後事務委任の3点セットを同一公証役場で一括作成 | 単発で死後事務委任だけ契約しない(②の空白が埋まらない) |
| F | 家族なし×不動産なし×60〜74歳 | 死後事務委任契約の事業者比較(預託金の保全を最優先で確認) | 預託金を先に払わない(分別管理の確認が先) |
| G | 家族なし×不動産なし×75歳〜 | 身元保証+死後事務を、後述の確認5項目で選定 | 一社即決しない |
| H | 推定相続人が誰もいない | 遺言で受遺者(人・団体)を指定(無指定なら財産は国庫へ) | エンディングノートだけで済ませない(法的効力なし) |
終活でやるべきこと|判断能力を失ってから死後までの空白を埋める7書類
空白を埋める書類チェックリスト
| 書類・制度 | 発動タイミング | 費用レンジ | 家族がいない人の必須度 | 2028年度見込みの後見改正で見直しが要るか |
|---|---|---|---|---|
| (1) 金融機関の代理人届・代理人カード | 元気なうち届出→低下後に機能 | 無料〜数千円 | ○ 推奨 | 影響小 |
| (2) 財産管理委任契約 | 元気なうち〜低下前後 | 契約書作成費 | ◎ 必須 | 影響小 |
| (3) 任意後見契約(公正証書必須) | 判断能力低下後 | 公証人手数料+監督人報酬 | ◎ 必須 | 要見直し |
| (4) 家族信託 | 元気なうち〜死後まで | 設計・登記費用 | △ 家族不在では組みにくい | 要見直し |
| (5) 死後事務委任契約 | 死後 | 契約書作成+報酬+預託金 | ◎ 必須 | 影響小 |
| (6) 尊厳死宣言公正証書・事前指示書 | 終末期 | 公証人手数料 | ○ 推奨 | 影響小 |
| (7) 臓器提供・献体の意思表示 | 死亡直後 | 無料 | △ 任意 | 影響なし |
事業者を選ぶときの確認5項目
- 預託金が事業者の資産と分別管理されているか(信託・第三者保管か)
- 解約時の返金規定が契約書に明記されているか
- 国のガイドライン準拠を明示しているか
- 受任者が法人か個人か(個人なら本人の死亡・廃業リスクを誰が引き継ぐか)
- 履行を監督する第三者(弁護士・司法書士等)がいるか
注意
ガイドラインに罰則がない以上、チェックするのは利用者側です。1社で即決せず、上の5項目を同じ質問文で複数社にぶつけて回答を比較してください。判断に迷う場合は弁護士・司法書士へ相談を。
終活のやることリストで最も遅れる「遺言」|4方式フル比較
| 項目 | ①自筆証書(自宅保管) | ②自筆証書+法務局保管 | ③公正証書遺言 | ④保管証書遺言(デジタル遺言) |
|---|---|---|---|---|
| 作成方法 | 全文自書 | 全文自書+法務局へ申請 | 公証人が作成(2025年10月からウェブ会議可) | PC・スマホで全文作成→法務局へ保管申請 |
| 自書の要否 | 必要(財産目録を除く) | 必要(財産目録を除く) | 不要 | 不要(署名は必要) |
| 押印の要否 | 現行は必要(改正で廃止予定) | 現行は必要(改正で廃止予定) | 不要 | 不要 |
| 費用 | 0円 | 3,900円(保管申請1件) | 公証人手数料+出張費 | 未定 |
| 保管場所 | 自宅など | 法務局 | 公証役場(原本は電子データ) | 法務局 |
| 家庭裁判所の検認 | 必要 | 不要 | 不要 | 不要 |
| 紛失・改ざんリスク | 高い | 低い | 低い | 低い |
| 証人 | 不要 | 不要 | 2人必要 | 遺言書保管官の面前で全文を口述 |
| 利用できる時期 | 今すぐ | 今すぐ | 今すぐ | 未施行(公布2026年6月24日から3年以内) |
| 向いている人 | とりあえず意思を残したい人 | 費用を抑えつつ確実性も欲しい人 | 確実性最優先・自書が困難な人 | (施行後)手書きが難しい人 |
終活 20代・30代でやることは?年代別に「今できること」だけをやる
| 年代 | 今やる意味があること | 今はやらなくていいこと |
|---|---|---|
| 20代 | サブスク一覧化/SNS・クラウドの死後設定/臓器提供意思 | 遺言、墓、相続対策 |
| 30代 | 上記+保険受取人の確認/ネット口座の一覧化 | 墓、生前整理 |
| 40〜50代 | 財産の棚卸し/親の終活支援(親の代理人届・保管場所の共有) | — |
| 60代 | 代理人届/任意後見・財産管理の設計/医療の意思表示 | — |
| 70代〜 | 遺言の作成・見直し/死後事務/相続登記の確認 | — |
注意
ID・パスワードをエンディングノートに直書きしないでください。ノートは金庫ではなく、紛失・盗み見・引っ越し時の紛れ込みのリスクがあります。「どのサービスを使っているか」の一覧はノートに、パスワード本体はパスワード管理アプリや前述の公式機能に預け、ノートには『管理アプリのマスターパスワードの在り処』だけを書くのが安全です。
終活の費用は結局いくら?積み上げで見る総額の考え方
| 費目 | 金額 | 出典 |
|---|---|---|
| 葬儀費用(総額平均) | 96万7,300円 | 鎌倉新書 第7回お葬式に関する全国調査(2026年) |
| ┗ 一般葬 | 122万100円 | 同上 |
| ┗ 家族葬 | 96万3,900円 | 同上 |
| ┗ 一日葬 | 74万4,300円 | 同上 |
| ┗ 直葬・火葬式 | 49万5,600円 | 同上 |
| お墓(一般墓) | 152.0万円 | 鎌倉新書 第17回お墓の消費者全国実態調査(2026年) |
| お墓(納骨堂) | 81.5万円 | 同上 |
| お墓(樹木葬) | 71.7万円 | 同上 |
| 遺言(法務局保管) | 3,900円 | 法務省 |
| 死後事務委任(民間相場) | 契約書作成20〜50万円+報酬+預託金100〜200万円 | 事業者公表料金(公的統計ではない) |
- 家族がいる人:家族葬96万円+樹木葬72万円+遺言3,900円 ≒ 約168万円
- おひとりさま:直葬50万円+合祀+死後事務(預託金含む)120〜250万円 ≒ 約170〜300万円
見落とされがちな期限|相続登記と年金の手続き
注意
相続登記・年金・税務の期限判断は個別事情で変わります。特に相続登記は物件の権利関係によって手順が異なるため、司法書士への確認を推奨します。
医療・介護の意思表示|人生会議(ACP)を知っている人は5.9%
- 延命治療(人工呼吸器・胃ろう・心肺蘇生)を希望するか
- 最期をどこで迎えたいか(自宅・病院・施設)
- 認知症になったときの介護方針(在宅か施設か、費用の上限)
- 判断できなくなったとき、誰に決めてほしいか(意思決定の代理人)
エンディングノート・生前整理|「最後にやる」理由
- 権利証(登記識別情報通知):紛失しても再発行されず、代替手続きに費用がかかります
- 保険証券・年金証書:契約の存在を家族が知る手がかりです
- 古い通帳:解約済みでも取引の履歴として使う場面があります
- ID・パスワードのメモ:一覧が失われると、ネット口座の存在ごと消えます
- 印鑑(実印)と印鑑登録カード




