相続税・お金

相続空き家の3000万円控除とは?老人ホーム・兄弟共有・買主工事で迷う条件

相続した実家を売るときの空き家3000万円控除について、判断が分かれやすい条件を確認します。対象は老人ホームへの入所、兄弟で共有して売るときの1億円の合算と2,000万円の上限、買主が工事するときの期限です。取得費加算との比較と、令和9年度の延長要望の状況も扱います。

相続空き家の3000万円控除とは?老人ホーム・兄弟共有・買主工事で迷う条件
まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
  1. 売却期限は2つの期限のうち「早いほう」になる。相続した年によって、実際の期限が変わる
  2. 親が老人ホームに入っていた場合は、認定・施設の種類・入所後の家の使い方の3つを見る
  3. 兄弟で共有して売るときは、1億円の判定にほかの相続人の売却分も合算する。上限2,000万円の影響は持分ごとに変わる
  4. 買主が工事する売り方では、翌年2月15日と3月15日のあいだの時間が短い
  5. 取得費加算とは併用できない。延長は、2026年10月時点では要望の段階
注意

この記事は公表資料をもとにした一般的な解説です。計算はすべて仮定の数字です。実際の申告は、税務署や税理士に確認してください。

空き家 3000万円控除とは?期限は「早いほう」で決まる

  • 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日
  • 制度の期限の令和9年(2027年)12月31日
相続した時期3年ルールの期限実際の期限(現行法)
2023年5月2026年12月31日2026年12月31日
2024年8月2027年12月31日2027年12月31日
2025年3月2028年12月31日2027年12月31日
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親が老人ホームに入っていた場合の判定

親が老人ホームに入っていた場合の判定
確認すること条件つまずきやすい例
認定要介護認定・要支援認定、または障害支援区分の認定を受けていた認定を受けずに入所していた
施設の種類特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、サービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホーム、障害者支援施設など法律で決められた施設に当たらない住まいだった
入所前の家入所の直前に、被相続人のほかに住んでいる人がいなかった子どもが同居していた
入所後の家物を置くなど、本人が使い続けていた。事業・貸付け・ほかの人の居住には使っていない入所中に親族が住んだ、貸し出した
入所後の住まい入所から相続までの主な住まいが、その施設だった施設とは別の家に移り住んでいた
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補足

認定を受けた時期が入所の前か後かで扱いが変わるかどうかは、この記事では確かめきれていません。認定日が入所日より後になっている場合は、税務署に確認してください。

兄弟で共有して売るときの1億円の合算と2,000万円の上限

1億円は「全員分・あとの売却分」も合算する

上限2,000万円の影響は持分で変わる

持分利益が2,000万円を超え始める売却価格(目安)
1/3約6,800万円
1/2約4,500万円
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項目長男(1/2)次男・三男(各1/4)
利益(6,160万円×持分)3,080万円1,540万円
控除(上限2,000万円)2,000万円1,540万円
課税される所得1,080万円0円
税額(20.315%)約219万円0円
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買主が工事する売り方:翌年2月15日から3月15日までの期間

  1. 2026年11月:引き渡し
  2. 2027年2月15日まで:買主が工事を終える
  3. 工事が終わったことを示す書類(取壊しなら建物の閉鎖登記の証明書、耐震改修なら耐震基準適合証明書など)を売主が受け取る
  4. 市区町村に確認書を申請する(審査の日数は自治体ごとに違う)
  5. 2027年3月15日まで:確定申告をする
  • 工事の完了期限を、2月15日より前(たとえば1月末)に設定する
  • 工事完了の書類を売主に渡す期限を決める
  • 期限内に工事が終わらなかったときの損害賠償を決める
  • 売主がこの特例を使う予定であることを契約書に書く
注意

特約の効力は、契約の内容によって変わります。宅地建物取引士・弁護士・税理士と一緒に決めてください。

取得費加算とどちらを選ぶか

比べるところ空き家3,000万円控除取得費加算の特例
使える人相続税を払ったかどうかに関係ない相続税を払った人だけ
売却期限上の「早いほう」の期限相続税の申告期限の翌日から3年以内(通常は相続から3年10か月)
建物の要件昭和56年5月31日以前、マンション以外などなし
市区町村の確認書必要不要
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  • 3,000万円控除を使う場合:利益2,600万円を全額控除できるので、税額は0円
  • 取得費加算を使う場合:600万円×2,400万円÷1億2,000万円=120万円を取得費に足す。(2,600万円−120万円)×20.315%=約504万円

売るまでの管理で証拠を残す

時期やること失敗しやすい例
相続した直後電気・ガスの閉栓、または水道の使用中止の書類をもらう管理のために電気を残し、代わりの証拠を用意していない
管理しているあいだ貸さない・住まない・使わせない親族が一時的に住む、駐車場として貸す
売り出すとき媒介契約書に「空き家」であることを書いてもらう書いてもらうのを忘れる
解体したあと売るまで更地を何にも使わない資材置き場として使う
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令和9年度税制改正要望:延長と築年要件の緩和は未確定

  • 令和13年12月31日まで、期限を4年延ばす
  • 昭和56年5月31日以前という築年要件をゆるめる
  • 民事信託が終わって家を取得した場合も対象に加える
  • 確認書の手続きを軽くする

まとめ:期限・持分・書類を先に確かめる

注意

この記事は2026年10月時点の公表資料をもとにした一般的な情報で、個別の税務判断ではありません。実際に使えるかどうかは、税務署か税理士に確認してください。

最終確認日:2026年10月12日

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