まな先生解説
こころ質問
すい要点整理
- 売却期限は2つの期限のうち「早いほう」になる。相続した年によって、実際の期限が変わる
- 親が老人ホームに入っていた場合は、認定・施設の種類・入所後の家の使い方の3つを見る
- 兄弟で共有して売るときは、1億円の判定にほかの相続人の売却分も合算する。上限2,000万円の影響は持分ごとに変わる
- 買主が工事する売り方では、翌年2月15日と3月15日のあいだの時間が短い
- 取得費加算とは併用できない。延長は、2026年10月時点では要望の段階
注意
この記事は公表資料をもとにした一般的な解説です。計算はすべて仮定の数字です。実際の申告は、税務署や税理士に確認してください。
空き家 3000万円控除とは?期限は「早いほう」で決まる
- 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日
- 制度の期限の令和9年(2027年)12月31日
| 相続した時期 | 3年ルールの期限 | 実際の期限(現行法) |
|---|---|---|
| 2023年5月 | 2026年12月31日 | 2026年12月31日 |
| 2024年8月 | 2027年12月31日 | 2027年12月31日 |
| 2025年3月 | 2028年12月31日 | 2027年12月31日 |
親が老人ホームに入っていた場合の判定

| 確認すること | 条件 | つまずきやすい例 |
|---|---|---|
| 認定 | 要介護認定・要支援認定、または障害支援区分の認定を受けていた | 認定を受けずに入所していた |
| 施設の種類 | 特別養護老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、サービス付き高齢者向け住宅、認知症グループホーム、障害者支援施設など | 法律で決められた施設に当たらない住まいだった |
| 入所前の家 | 入所の直前に、被相続人のほかに住んでいる人がいなかった | 子どもが同居していた |
| 入所後の家 | 物を置くなど、本人が使い続けていた。事業・貸付け・ほかの人の居住には使っていない | 入所中に親族が住んだ、貸し出した |
| 入所後の住まい | 入所から相続までの主な住まいが、その施設だった | 施設とは別の家に移り住んでいた |
補足
認定を受けた時期が入所の前か後かで扱いが変わるかどうかは、この記事では確かめきれていません。認定日が入所日より後になっている場合は、税務署に確認してください。
兄弟で共有して売るときの1億円の合算と2,000万円の上限
1億円は「全員分・あとの売却分」も合算する
上限2,000万円の影響は持分で変わる
| 持分 | 利益が2,000万円を超え始める売却価格(目安) |
|---|---|
| 1/3 | 約6,800万円 |
| 1/2 | 約4,500万円 |
| 項目 | 長男(1/2) | 次男・三男(各1/4) |
|---|---|---|
| 利益(6,160万円×持分) | 3,080万円 | 1,540万円 |
| 控除(上限2,000万円) | 2,000万円 | 1,540万円 |
| 課税される所得 | 1,080万円 | 0円 |
| 税額(20.315%) | 約219万円 | 0円 |
買主が工事する売り方:翌年2月15日から3月15日までの期間
- 2026年11月:引き渡し
- 2027年2月15日まで:買主が工事を終える
- 工事が終わったことを示す書類(取壊しなら建物の閉鎖登記の証明書、耐震改修なら耐震基準適合証明書など)を売主が受け取る
- 市区町村に確認書を申請する(審査の日数は自治体ごとに違う)
- 2027年3月15日まで:確定申告をする
- 工事の完了期限を、2月15日より前(たとえば1月末)に設定する
- 工事完了の書類を売主に渡す期限を決める
- 期限内に工事が終わらなかったときの損害賠償を決める
- 売主がこの特例を使う予定であることを契約書に書く
注意
特約の効力は、契約の内容によって変わります。宅地建物取引士・弁護士・税理士と一緒に決めてください。
取得費加算とどちらを選ぶか
| 比べるところ | 空き家3,000万円控除 | 取得費加算の特例 |
|---|---|---|
| 使える人 | 相続税を払ったかどうかに関係ない | 相続税を払った人だけ |
| 売却期限 | 上の「早いほう」の期限 | 相続税の申告期限の翌日から3年以内(通常は相続から3年10か月) |
| 建物の要件 | 昭和56年5月31日以前、マンション以外など | なし |
| 市区町村の確認書 | 必要 | 不要 |
- 3,000万円控除を使う場合:利益2,600万円を全額控除できるので、税額は0円
- 取得費加算を使う場合:600万円×2,400万円÷1億2,000万円=120万円を取得費に足す。(2,600万円−120万円)×20.315%=約504万円
売るまでの管理で証拠を残す
| 時期 | やること | 失敗しやすい例 |
|---|---|---|
| 相続した直後 | 電気・ガスの閉栓、または水道の使用中止の書類をもらう | 管理のために電気を残し、代わりの証拠を用意していない |
| 管理しているあいだ | 貸さない・住まない・使わせない | 親族が一時的に住む、駐車場として貸す |
| 売り出すとき | 媒介契約書に「空き家」であることを書いてもらう | 書いてもらうのを忘れる |
| 解体したあと | 売るまで更地を何にも使わない | 資材置き場として使う |
令和9年度税制改正要望:延長と築年要件の緩和は未確定
- 令和13年12月31日まで、期限を4年延ばす
- 昭和56年5月31日以前という築年要件をゆるめる
- 民事信託が終わって家を取得した場合も対象に加える
- 確認書の手続きを軽くする
まとめ:期限・持分・書類を先に確かめる
注意
この記事は2026年10月時点の公表資料をもとにした一般的な情報で、個別の税務判断ではありません。実際に使えるかどうかは、税務署か税理士に確認してください。
最終確認日:2026年10月12日




