遺産分割協議書の作り方|書き方5ステップと無効になるNG例
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遺産分割協議書の作り方|書き方5ステップと無効になるNG例

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まな先生解説
こころ質問
すい要点整理

この記事の要点(30秒サマリー)

論点結論
様式法定の様式なし。手書き・パソコン・縦横どちらでも有効
必須の要素被相続人の特定/全員の合意/財産の特定/全員の署名・実印/印鑑証明書
自分で作れるか争いがなく財産がシンプルなら可能。不動産登記や相続税が絡むなら専門家が安全
作成期間の目安戸籍収集1〜4週間+協議、兄弟姉妹相続や数次相続では1〜2か月以上かかることも
実費の目安数千円程度(戸籍450〜750円/通、印鑑証明書200〜300円程度、登記事項証明書600円など)
最大の失敗要因相続人の見落としと、財産の表記ゆれ(住所で書いて登記に使えない等)
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結論:協議書はまず「相続人と財産の確定」から始める

結論:協議書はまず「相続人と財産の確定」から始める
手続き期限備考
相続放棄・限定承認相続開始を知った日から3か月以内家庭裁判所への申述が必要
相続税の申告・納付相続開始を知った日の翌日から10か月以内基礎控除を超える場合(国税庁)
相続登記不動産の取得を知った日から3年以内2024年4月から義務化。怠ると10万円以下の過料の対象とされています(法務局)
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作成前に集める書類チェックリスト

区分書類取得先
被相続人出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍本籍地の市区町村(2024年3月からの広域交付で最寄り窓口でも請求可能とされています)
被相続人住民票の除票(本籍記載あり)最後の住所地の市区町村
相続人現在の戸籍謄本(全員分)各自の本籍地
相続人印鑑証明書(全員分)各自の住所地。海外在住者はサイン証明で代用
不動産登記事項証明書・名寄帳(固定資産課税台帳)法務局・市区町村
預貯金残高証明書(死亡日時点)、通帳各金融機関
有価証券残高報告書、ほふりへの開示請求結果証券会社・証券保管振替機構
負債信用情報の開示、契約書、督促状CIC・JICC・全銀協
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協議書作成でつまずく主な原因を深掘り

注意

「うちは仲が良いから大丈夫」という家庭でも、財産の全容が不透明なままだと疑心暗鬼が生まれ、対立に発展しがちです。財産目録を全員に開示してから協議を始めることが、感情面のトラブル予防にも直結します。

原因別の見分け方:どこで止まっているかをチェック

今の状況考えられる原因対処の入口
法務局で登記申請が通らない不動産の表示が登記事項証明書と不一致登記事項証明書の記載をそのまま転記して作り直す
銀行で解約手続きを断られた口座の特定不足、印鑑証明書の期限切れ、認印支店名・口座番号まで記載し、実印+期限内の印鑑証明を用意
相続人の1人が署名してくれない分割内容への不満、感情的対立話し合いの再設定。まとまらなければ家庭裁判所の遺産分割調停
署名できない相続人がいる認知症・未成年・行方不明成年後見人・特別代理人・不在者財産管理人の選任(家庭裁判所)
協議後に新しい財産が見つかった財産調査の漏れその財産についての追加協議(事前に条項を入れておけば不要)
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  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍を切れ目なく集めたか
  • 全員の判断能力・年齢に問題はないか(認知症・未成年の有無)
  • 不動産は名寄帳(固定資産課税台帳)で私道持分まで確認したか
  • ネット銀行・証券・暗号資産・借金(マイナスの財産)まで調べたか
  • 遺言書の有無を確認したか(自宅、法務局の遺言書保管制度、公証役場の遺言検索)
補足

遺言書が見つかった場合、原則として遺言の内容が優先されます。自筆証書遺言(法務局保管分を除く)は開封せず、家庭裁判所の検認手続きが必要とされています。

遺産分割協議書の具体的な作り方5ステップ

  1. 相続人を確定する(戸籍収集):被相続人の出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍と、相続人全員の現在戸籍を集めます。2024年3月からは戸籍の広域交付が始まり、本籍地以外の市区町村窓口でもまとめて請求できるようになったとされています。集めた戸籍は、法務局の「法定相続情報一覧図」(交付手数料無料)にしておくと、登記や金融機関の手続きで戸籍の束を何度も出さずに済みます。
  2. 財産を調査し、財産目録を作る:預貯金は金融機関の残高証明書(死亡日時点)、不動産は市区町村の名寄帳と法務局の登記事項証明書、株式は証券会社の残高報告書や証券保管振替機構(ほふり)への開示請求で確認します。借金は信用情報機関(CIC・JICC・全銀協)への開示請求で調べられます。負債が多い場合は3か月以内の相続放棄も選択肢になるため、マイナスの財産の調査を後回しにしないことが重要です。
  3. 相続人全員で協議する:全員が一堂に会する必要はなく、電話・メール・ビデオ通話や、書面を順に回す「持ち回り」方式でも有効とされています。誰が・何を・どれだけ取得するかを全員が合意すれば協議成立です。
  4. 文案を作成する:次の要素を上から順に盛り込みます。
  • 表題「遺産分割協議書」
  • 被相続人の表示:氏名・生年月日・死亡年月日・本籍・最後の住所
  • 前文:「被相続人○○の遺産について、共同相続人全員は協議の結果、次のとおり分割することに合意した。」
  • 財産の記載(取得者ごとに):土地は「所在・地番・地目・地積」、建物は「所在・家屋番号・種類・構造・床面積」を登記事項証明書のとおりに。預貯金は「○○銀行○○支店 普通預金 口座番号1234567 の全額」のように口座単位で特定します。
  • 後日判明財産の条項:「本協議書に記載のない遺産および後日判明した遺産は、相続人○○が取得する(または、相続人全員で別途協議する)。」
  • 作成年月日、相続人全員の住所(印鑑証明書のとおり)・署名・実印押印
  1. 署名押印して保管する:相続人の人数分の原本を作成し、各自1通ずつ保管するのが安全です。複数ページになる場合はホチキス留めの見開き部分に全員の実印で契印をします。各自の印鑑証明書をセットで保管・提出します。

そのまま使える記載例(雛形)

ケース別の対処:不動産・代償分割・未成年がいる場合など

注意

認知症の親の手を取って署名させる、家族が代筆するといった対応は、協議自体が無効となるだけでなく、後日ほかの相続人との深刻な紛争や、私文書偽造を問われるリスクにつながるとされています。必ず成年後見制度など正規の手続きを検討してください。

遺産分割協議書と似た書面の違い

書面役割署名押印する人
遺産分割協議書誰が何を取得するかの合意内容を1通にまとめる相続人全員(実印)
遺産分割協議証明書同じ合意内容を相続人が各自1通ずつ証明する形式。遠方・多人数で回覧が難しいときに使われる各相続人が各自1通(実印)
法定相続情報一覧図相続関係を法務局が証明する図。戸籍束の代わりに使えるが、分割内容は含まない申出人のみ
相続分譲渡証書・特別受益証明書持分の譲渡や「相続分なし」の証明。分割内容そのものを定める書面ではない該当相続人
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補足

相続人が多い、遠方に散らばっているといった事情で1通の回覧が難しい場合は、遺産分割協議証明書の形式が使われることがあります。ただし手続き先によって取り扱いが異なるため、提出先の法務局・金融機関に事前確認すると確実です。

トラブル予防・再発防止のコツ

  • 後日判明財産の条項を必ず入れる:「新たに見つかった財産は○○が取得する」と書けば追加協議は不要になり、「別途協議する」と書けば全員で改めて話し合うことになります。疎遠な相続人がいて再協議が難しい家庭は前者、財産の全容がほぼ見えている家庭はどちらでも構いません。
  • お金の約束はすべて数字で書く:代償金の額・支払期日・振込先、立て替えた葬儀費用の精算方法などを具体的に記載します。「おいおい払う」という口約束が、数年後の紛争の火種になりがちです。
  • 協議の経過を記録に残す:メールやメッセージでのやり取りを残しておくと、「そんな話は聞いていない」という水掛け論を防げます。
  • 原本は相続人の人数分作成する:1通だけだと保管者への不信感が生まれやすく、手続きでも不便です。なお、登記や金融機関の手続きでは原本還付(コピーを提出して原本を返してもらう)が使えるのが一般的です。
  • 法定相続情報一覧図を活用する:複数の銀行・証券会社で同時並行の手続きができ、戸籍の原本紛失リスクも減らせます。
  • 次の相続への備えも視野に入れる:今回の協議で苦労した点(財産が不明、相続人が疎遠など)は、遺言書の作成や財産一覧の共有といった生前対策で、次の世代に引き継がないようにできます。

専門家・公的情報の見解と依頼費用の目安

法務局は、相続登記の義務化(2024年4月施行)について「相続により不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならない」とし、正当な理由のない申請漏れは10万円以下の過料の適用対象になると案内しています。

依頼先依頼内容費用の目安
自分で作成協議書作成一式0円+実費(戸籍450〜750円/通、登記事項証明書600円など)
行政書士協議書の作成・戸籍収集3万〜10万円程度
司法書士協議書作成+相続登記7万〜15万円程度+登録免許税
税理士相続税申告(協議書含む)遺産総額の0.5〜1%程度
弁護士相続人間に争いがある場合着手金20万〜30万円程度〜+成功報酬
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補足

費用を抑えたい場合は、市区町村の無料法律相談、法テラス、各地の司法書士会・税理士会が実施する無料相談会を初回の入口として活用できます。

やってはいけないNG対応7選

  1. 一部の相続人だけで作成する:相続人全員の合意がない協議は無効とされています。疎遠でも音信不通でも、除外はできません。
  2. 白紙や内容未確定の書面に署名だけ先に集める:後から「聞いていた内容と違う」と争いになり、錯誤や詐欺を理由に効力が争われるリスクがあります。
  3. 「自宅は長男に」など曖昧に書く:どの不動産か特定できず登記に使えません。財産は必ず公的資料の表記で特定します。
  4. 判断能力のない相続人に代筆・誘導で署名させる:協議の無効に加え、刑事責任を問われるおそれもあるとされています。
  5. 「財産を相続しない」と書けば借金も免れると考える:協議書で債務を引き受けないと定めても、債権者には主張できないとされています。借金を免れるには3か月以内の家庭裁判所での相続放棄が必要です。
  6. 期限を放置する:相続税の小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減は、申告期限までに分割が済んでいることが原則の適用条件とされています。未分割のまま期限を過ぎると一旦は特例なしで納税が必要になります(「申告期限後3年以内の分割見込書」の提出で後から適用できる場合があります)。
  7. 口約束のまま手続きだけ進める:記憶の食い違いは必ず起きます。合意できたその日のうちに文書化まで進めましょう。
注意

一度全員が署名押印した協議書のやり直しは、全員の合意があれば可能とされていますが、再分割によって財産が移動すると贈与税が課される可能性があります。「とりあえず作って後で直す」は避けてください。

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よくある質問

最終確認日:2026年7月6日

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