ごみ収集業者の比較|相談2,231件の無許可業者を避ける選び方
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ごみ収集業者の比較|相談2,231件の無許可業者を避ける選び方

ごみ収集業者を比較するとき、最初に見るべきは料金ではなく市町村の一般廃棄物収集運搬業許可の有無です。国民生活センター(2022年11月2日発表)によると、不用品回収サービスの相談件数は2018年度の1,354件から2021年度には2,231件へと約1.6倍に増え、市区町村の許可を受けない違法な回収業者への注意喚起が行われています。

この記事では、自治体の粗大ごみ収集(1点400円〜)から事業系の許可業者(東京23区は46円/kg)まで、5つの処分ルートを公的機関の実額データだけで比較します。読み終える頃には『この業者に頼んで大丈夫か』をご自身で検証できるようになります。

結論早見表|ごみ処分5ルートを一目で比較

家庭の少量ごみは自治体収集(1点400円〜)、事業系ごみは許可業者と契約、不用品回収業者は依頼前の許可確認が必須です。

処分ルート依頼できるごみ料金の実額目安法的位置づけ回収までの日数主なリスク
自治体の粗大ごみ収集家庭の粗大ごみ数点1点400円〜(板橋区・町田市)市町村の事業予約制で数日〜2週間程度即日対応は不可
自治体施設への持ち込み家庭ごみ・粗大ごみ杉並区は1点400円均一など収集より割安な例も市町村の事業予約後、最短当日自分で運搬する手間
一般廃棄物許可業者(定期回収)店舗・オフィスの事業系ごみ処理手数料46円/kg(東京23区・2023年10月改定)一般廃棄物収集運搬業許可が必須契約後は定期回収契約内容の確認不足
不用品回収業者再利用できる品の買取が中心見積もり制(総額での確認が必須)廃棄物の回収には一般廃棄物許可が必要。古物商許可のみでは不可最短即日高額請求・不法投棄(相談2,231件/2021年度)
一括見積もりサービス業者の紹介・比較業者により変動掲載業者の許可は利用者が確認業者による許可未確認のまま契約

(出典: 板橋区・町田市・杉並区・品川区・千代田区の各公式サイト、国民生活センター2022年11月報道発表)

ポイント

5ルートのうち、法律上『家庭のごみを収集運搬できる』のは市町村と一般廃棄物収集運搬業の許可業者だけです。この1点を押さえるだけで、比較の失敗はほぼ防げます。

そもそもごみ収集業者とは?2つの意味と3つの許可

そもそもごみ収集業者とは?2つの意味と3つの許可

ごみ収集業者には家庭向けの不用品回収と事業系ごみの定期収集の2種類があり、扱える範囲は許可の種類で決まります。

家庭系と事業系では頼み先が根本的に違う

同じ『ごみ収集』でも、制度上はまったくの別物です。家庭のごみを有料で収集運搬できるのは、原則として市町村と、市町村が許可した業者だけです。京都市環境政策局(2024)も次のように注意喚起しています。

家庭の廃棄物回収には市町村の一般廃棄物収集運搬業の許可が必要であり、無許可の回収業者の利用は不法投棄や高額請求につながるおそれがある。(京都市公式サイトの注意喚起より要旨)

一方、店舗やオフィスから出る事業系ごみは事業者自身に処理責任があり、区市町村の名簿に載っている許可業者と収集契約を結ぶのが基本ルートです。上位の比較記事の多くは家庭系だけを扱っていますが、この記事では両方の手順を扱います。

3つの許可の違いを1分で整理

名前が似た3つの許可は、扱えるものがまったく違います。

許可の種類発行元できること家庭ごみの回収
一般廃棄物収集運搬業許可市町村家庭・事業所の一般ごみの収集運搬
産業廃棄物収集運搬業許可都道府県等事業活動で出る産業廃棄物の運搬×(不可とされています)
古物商許可都道府県公安委員会再販目的の中古品の買取×(廃棄物の収集は不可)
注意

チラシに『産業廃棄物許可番号』や『古物商許可番号』が大きく書かれていても、家庭のごみを合法的に回収できる根拠にはなりません。確認すべきは市町村の一般廃棄物収集運搬業許可だけです。

収集コストは上昇局面にある

ごみ処理の費用は全国的に上がっています。環境省が2026年3月27日に公表した令和6年度の実績では、ごみ総排出量は3,811万トン(前年度比2.2%減)、1人1日当たり839gと減少が続く一方、ごみ処理事業経費は2兆4,489億円(前年度比6.9%増)でした。排出量が減ってもコストは増えており、民間の回収料金も上がりやすい局面です。だからこそ『実額の根拠を持って比較する』価値が高まっています。

選び方の重要ポイント|どこに頼むべきか3分岐で診断

『家庭か事業か』『量はどれくらいか』『電池や家電を含むか』の3つの分岐で、最適な依頼先はほぼ決まります。

  1. 分岐1|そのごみは家庭から?事業から?
  • 店舗・オフィスの事業系ごみ → 自治体サイトの許可業者名簿から契約先を探します。東京23区は東京廃棄物事業協同組合(東廃協)のサイトで区ごとに検索できます。
  • 家庭のごみ → 分岐2へ。
  1. 分岐2|量は粗大ごみ数点?それとも大量?
  • 数点まで → 自治体の粗大ごみ収集(1点400円〜)が最安の第一候補です。
  • 引越し・遺品整理などで大量 → 分岐3へ。
  1. 分岐3|家電4品目やリチウム電池内蔵製品を含む?
  • 含む → エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクルの指定ルートへ、モバイルバッテリー等は2026年4月から義務化されたメーカー回収(後述)へ分離します。
  • 残りを民間業者に頼む場合 → 後述の許可確認3ステップ(①名簿照会 ②許可の種類 ③無料回収を避ける)を必ず実施します。
ポイント

この診断の順番は『合法性 → 費用 → 速さ』です。逆順(速さ・安さから選ぶ)にすると、無許可業者に当たる確率が一気に上がります。

料金・手数料はいくら?実額データで徹底比較

家庭の粗大ごみは自治体で1点400円から、東京23区の事業系ごみは46円/kgが公式に確認できる実額の目安です。

家庭系|1点400円〜を基準線にする

自治体料金を基準にすると、民間の見積もりを客観評価できます。板橋区・町田市などでは粗大ごみ収集が1点400円から、杉並区は持ち込みなら1点400円均一です(各区市公式サイト)。仮に3点処分しても1,200円程度からで済む計算です。

民間の積み放題プランは便利ですが、公的な標準価格が存在しないため、基本料金・搬出費・階段料金・スタッフ追加費まで含む総額で比較してください。数点程度なら自治体収集のほうが安くなるケースが大半とされています。

事業系|処理券方式と許可業者契約の計算式

自分の袋数を代入すれば月額を試算できます。品川区の事業系有料ごみ処理券は45L券が10枚3,910円(1枚391円)、70L券が5枚3,045円(1枚609円)です(品川区公式サイト)。また千代田区の報道発表(2023年1月27日)によると、東京23区の事業系一般廃棄物処理手数料は2023年10月に40円/kgから46円/kgに改定されました。

小規模飲食店が45L袋を週3回(月約13袋)出すケースで比較します。

  1. 処理券方式: 391円 × 13袋 = 月5,083円
  2. 許可業者との定期回収契約: 月間排出量(kg) × 46円 + 収集運搬費(業者ごとに見積もり)。仮に1袋10kgとすると130kg × 46円 = 処分費5,980円 + 運搬費

計算式は『袋数 × 券種単価』対『排出kg × 46円 + 運搬費』です。ご自身の袋数と重さを当てはめれば、どちらが有利か判断できます。

なお、排出量が多い事業者(目安として日量40〜50kg超。基準は区により異なります)は区の収集自体を利用できず、許可業者との契約が必須とされています。この場合は複数の許可業者からの相見積もりが唯一の比較手段になります。

補足

処理単価(23区は46円/kg)は共通でも、収集運搬費は自由価格のため業者間で差が出ます。総額は2〜3社の見積もり比較で必ず確認してください。

機能・サービスで比較|スピード・手間・電池対応

即日対応や搬出代行は民間の強みですが、リチウム電池内蔵製品への対応力が2026年の新しい比較軸になっています。

スピードと手間はトレードオフ

速さを買うか、安さを取るかの選択です。

  • 自治体収集: 予約から数日〜2週間程度。屋外への搬出は自分で行う
  • 持ち込み: 予約後最短当日。運搬は自分
  • 民間業者: 最短即日。分別・搬出込み
  • 一括見積もりサービス: 比較の手間は減るが、許可の確認は利用者の責任のまま

リチウム電池内蔵製品への対応は最新の選定軸

電池内蔵品を安易に出せない時代になりました。環境省廃棄物適正処理推進課の資料によると、廃棄物処理の過程でのリチウム蓄電池等に関連する発煙・発火事故は2022年度だけで6,423件(事故全体13,111件)に上ります。環境省は2025年9月、市町村に対し分別回収体制の整備方針を通知しました。

さらに改正資源有効利用促進法が2026年4月に施行され、モバイルバッテリー・スマートフォン・加熱式たばこが指定再資源化製品となり、一定規模以上のメーカー・輸入販売事業者に回収・リサイクルが義務付けられました。認定を受けた事業者は廃棄物処理法の業許可なしで自主回収できる仕組みも始まっています。

比較の実務では、見積もり時に『バッテリー内蔵品はどう処理しますか』と質問してみてください。回答が曖昧な業者は、処理フロー全体の管理も曖昧な可能性があります。

注意

モバイルバッテリー等を不燃ごみに混ぜると収集車火災の原因になります。政府広報オンラインも2025年9月に誤廃棄への注意喚起を掲載しています。自治体の回収拠点かメーカー・販売店の回収へ出してください。

家電4品目は別ルートが原則

エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクル法の対象です。購入店の引き取りや指定引取場所への持ち込みが正規ルートのため、業者比較の前にこの4品目を分けて考えると、残りの見積もり総額が明確になります。

民間のごみ収集業者に依頼するメリット

最大の利点は速さと手間の少なさで、搬出・分別・買取までを1回の依頼で完結できる点にあります。

  • 即日〜日時指定ができる: 引越し前日などの締切がある場面で有効です
  • 搬出・分別込み: 大型家具や階段搬出を任せられます
  • 買取を併用できる: 古物商許可も持つ業者なら再利用品を買い取ってもらえ、処分費を相殺できます
  • 事業系は定期契約で安定: 排出量が多い事業者にとっては唯一の合法ルートであり、量や頻度に合わせた設計ができます
ポイント

これらのメリットはすべて『一般廃棄物の許可がある』前提で成立します。無許可業者では、速さや安さが高額請求・不法投棄のリスクと表裏一体になります。

デメリット・注意点|無許可業者に頼むとどうなる?

無許可営業は5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金の対象で、依頼者側も不法投棄の巻き添えを受けかねません。

相談件数は3年で約1.6倍に増加

トラブルは実際に増えています。国民生活センターの2022年11月2日の報道発表によると、不用品回収サービスの相談は2018年度1,354件から2021年度2,231件へ増加し、市区町村の一般廃棄物処理業の許可を受けない違法な回収業者への注意が呼びかけられました。『無料』とうたいながら積み込み後に高額な料金を請求される、といった街宣車・チラシ型の勧誘が典型例とされています。

罰則は懲役5年・罰金1,000万円

無許可営業は重い犯罪です。廃棄物処理法第25条(e-Gov法令検索)では、無許可で廃棄物処理業を営んだ者に5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金(併科あり)が定められています。回収されたごみが不法投棄された場合、排出した側にも責任が問われるおそれがあると自治体は警告しています。極端に安い見積もりは『正規の処理費を払っていないから安い』可能性があるため、むしろ警戒が必要です。

注意

『無料回収』の街宣車・ポスト投函チラシ・突然の電話勧誘は、国民生活センターの注意喚起で挙げられる典型パターンです。比較対象に最初から入れないことが、最も確実な防衛策です。

タイプ別のおすすめ処分ルート

『少量は自治体・大量は許可確認済み業者・事業系は名簿から』の3原則で選べば、大きな失敗は避けられます。

  • 粗大ごみ1〜3点(家庭) → 自治体収集(1点400円〜)。急がないならこれが最安です。
  • 引越し・遺品整理で大量(家庭) → 許可確認3ステップを通過した民間業者へ。自分で運べる分は持ち込みを併用すると節約できます。
  • 店舗・オフィス(事業系) → 自治体の許可業者名簿・東廃協から2〜3社に見積もり。少量なら処理券方式(45L券391円/枚)との月額比較を。
  • 家電4品目・電池内蔵製品あり → 指定引取場所・メーカー回収へ先に分離してから、残りで業者を比較します。
  • 相場だけ知りたい → 一括見積もりも有効。ただし==掲載されている=許可があるではない==ため、名簿照会は省略しないでください。
まとめ

どのタイプでも共通するのは『自治体の公式料金を基準線に置き、民間の見積もりはその差額で評価する』という考え方です。

始め方・申し込みの流れ

自治体は『予約→処理券→搬出』の3手順、事業系は『名簿検索→相見積もり→契約書確認→開始』の4手順で始められます。

家庭系|自治体の粗大ごみ収集

申し込みは3手順・数分で完了します。

  1. 自治体の粗大ごみ受付センターに電話またはインターネットで予約する(品目と点数を伝える)
  2. コンビニなどで手数料分の粗大ごみ処理券を購入する
  3. 収集日の朝、処理券を貼って指定場所に出す

事業系|許可業者との定期回収契約

契約書の確認項目まで含めて4手順です。

  1. 自治体サイトの一般廃棄物収集運搬許可業者名簿(東京23区は東廃協サイト)で候補を検索する
  2. 2〜3社に見積もりを依頼し、単価方式(kg建てか容量建てか)と収集頻度を揃えて比較する
  3. 契約書で次を確認する: 許可番号と有効期限/料金単価と改定条件/収集曜日・時間/契約期間と解約条件/計量・報告の方法
  4. 収集開始。従業員に分別・排出ルールを共有する
補足

見積もり時に『処理手数料(23区は46円/kg)と収集運搬費を分けて提示してください』と依頼すると、業者間の比較が正確になります。

失敗しない選び方の手順|許可確認3ステップ

『①名簿で照会 ②許可の種類を確認 ③無料回収を避ける』の3ステップを踏めば、無許可業者トラブルは入口で防げます。

  1. 自治体の許可業者一覧で社名を照会する: 『(市区町村名) 一般廃棄物 許可業者』で検索すると名簿が見つかります。東京23区は東廃協サイトで区ごとに確認できます。名簿にない社名なら、その時点で候補から外します
  2. 許可の種類を見極める: 『古物商許可のみ』の業者は買取はできても廃棄物の回収はできないとされています。産業廃棄物許可も家庭ごみには使えません。
  3. 『無料回収』の街宣車・チラシは選択肢から外す: 国民生活センターの注意喚起対象で、高額請求トラブルの典型例です。

そのうえで、見積書は総額(基本料金・搬出費・追加条件)を書面で受け取り、口頭の『全部込み』を信用しない。ここまでで比較の準備は完了です。

まとめ

比較サイトの星の数より、自治体名簿の1行のほうが信頼できます。『名簿に載っているか』を最初の足切り条件にしてください。

よくある質問

ごみ収集業者と不用品回収業者は何が違いますか?

法的な違いは許可です。ごみ(廃棄物)の収集運搬には市町村の一般廃棄物収集運搬業許可が必要ですが、不用品回収業者の多くはこの許可を持たず、古物商許可による『買取』を軸に営業しているとされています。買取対象にならない廃棄物の処分は、許可業者か自治体ルートを選んでください。

『無料回収』をうたう業者に頼んでも大丈夫ですか?

避けるのが安全です。国民生活センター(2022)は、無料のはずが積み込み後に高額請求されたなどの相談を受け、市区町村の許可のない回収業者への注意喚起を行っています。不用品回収サービスの相談は2021年度に2,231件へ増加しました。

引越しの大量ごみは自治体と民間どちらが安いですか?

時間に余裕があれば自治体が安くなりやすいです。粗大ごみは1点400円〜で、杉並区の持ち込み1点400円均一のような例もあります。収集日まで待てない・自力で搬出できない場合に限り、許可確認を済ませた民間業者と総額で比較するのが合理的です。

モバイルバッテリーは普通のごみ収集に出せますか?

出せません。廃棄物処理でのリチウム電池関連の発煙・発火事故は2022年度6,423件(環境省資料)に上ります。2026年4月施行の改正資源有効利用促進法でモバイルバッテリー等はメーカー回収の対象となったため、自治体の分別回収拠点かメーカー・販売店の回収に出してください。

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ごみ収集業者の比較は、『安い順に並べる』のではなく『合法な選択肢だけを並べてから安い順』が正解です。まず自治体の公式料金(粗大ごみ1点400円〜、23区事業系46円/kg)を基準線に置き、名簿照会を通過した業者だけを比較の土俵に載せてください。

まとめ

①家庭か事業かで入口を分ける ②自治体料金を基準線にする ③許可確認3ステップを必ず通す。この3つだけで、相談2,231件時代のトラブルはほぼ回避できます。

手数料・分別区分・許可業者名簿の詳細は自治体ごとに異なります。最終判断の前にお住まいの市区町村の廃棄物担当窓口へ確認し、トラブルに遭った場合は消費者ホットライン(188)や最寄りの消費生活センターに相談してください。

最終確認日: 2026年7月25日

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