親の通帳の探し方|通帳がなくても口座を特定する家族の3段階手順

親の通帳や印鑑が見つからない家族向けに、親が元気なとき・判断能力が落ちたとき・亡くなった後の3段階で使える手段を整理。郵便物などの痕跡から銀行を特定する方法、無料のゆうちょ現存調査、1件5,060円の相続時口座照会の限界を公式情報で確認できます。

親の通帳の探し方|通帳がなくても口座を特定する家族の3段階手順
まな先生解説
こころ質問
すい要点整理

結論:親の通帳の探し方は「親の状況」で3つに分かれる

状況別の判断チャート

  • 存命 → 本人の意思を確認できますか?
  • はい → 本人と一緒に銀行へ。通帳やキャッシュカードの再発行、届出印の変更(改印)、代理人の届出などを相談します
  • 費用の例:三菱UFJ銀行の通帳再発行は、アプリ550円、窓口1,100円(1件・税込。同行の手数料ページ)
  • いいえ → 全国銀行協会の考え方では成年後見制度などの利用を促すのが基本です。医療費など本人のための支払いについて、親族が対応できるか銀行に相談します
  • 亡くなった → 口座のある銀行はわかりますか?
  • わかる → その銀行に死亡を連絡し、相続手続きの必要書類を確認します。残高証明書も請求できます(ゆうちょ銀行の振替口座の個別発行は1通1,100円・税込。ゆうちょ銀行)
  • わからない → 次の3つを組み合わせます
  1. ゆうちょ銀行の現存調査(無料・結果は郵送)
  2. 心当たりのある銀行への問い合わせ(調べ方・費用・日数は銀行ごと)
  3. 相続時預貯金口座照会(1件5,060円・返金なし・1か月程度・マイナンバーを紐づけた口座のみ)

なぜ親の通帳と印鑑は見つからないの?

なぜ親の通帳と印鑑は見つからないの?

別々の場所にしまっていることがある

紙の通帳がない口座もある

本人の記憶があいまいになっている

補足

財務省中国財務局によると、2009年1月以降の取引から10年以上取引がない預金等は休眠預金等となりますが、その後も取引のあった金融機関の窓口で手続きをすれば引き出せます。

通帳がなくても口座を特定できる痕跡チェックリスト

痕跡どこで見つかるかわかる可能性がある情報
年金の振込通知郵便物の束、書類ケース振込先の銀行名・支店名
公共料金・携帯料金の明細郵便物、契約サイト引落先の銀行名
クレジットカード明細郵便物、カード会社のサイト引落先の銀行名
確定申告書の控え書類棚還付金の受取口座
満期・金利変更などのお知らせ郵便物銀行名・支店名、定期預金の有無
キャッシュカード財布、カードケース銀行名
銀行アプリ・通知メールスマホ、メール銀行名・支店など
固定資産税などの口座振替の通知納税通知書引落先の銀行名
貸金庫の鍵・契約書鍵束、書類ケース貸金庫のある銀行・支店
横スクロールできます

※載っている項目は書類の様式や時期によって違います。表は編集部が整理した目安です。

部屋別のチェック

  • [ ] 寝室:タンスの引き出し、鏡台、枕元の小物入れ
  • [ ] 居間:机・仏壇の引き出し、書類棚
  • [ ] 押し入れ:衣装ケース、古いバッグ、服のポケット
  • [ ] その他:家庭用金庫、鍵束(貸金庫の鍵)
  • [ ] スマホ・パソコン:銀行アプリ、銀行からのメール
注意

スマホのロック解除やアプリのログインを何度も試すのはやめましょう。ロックがかかったり、家族間のトラブルのもとになったりするおそれがあります。

見つけたら「どの口座か」と「誰のお金か」を一緒に記録する

故人の銀行口座の調べ方:3つの方法を組み合わせる

項目①ゆうちょ現存調査②心当たりの銀行への問い合わせ③相続時預貯金口座照会
費用無料(残高証明書は別途手数料)銀行による1件5,060円(返金なし)
結果郵送銀行による1か月程度・郵送
調べられる範囲ゆうちょ銀行の口座その銀行(調べ方は銀行に確認)故人がマイナンバーを紐づけた口座のみ
主な必要書類貯金等照会書、印章、本人確認書類(相続人の追加書類は窓口で確認)銀行の案内に従う申込書、死亡と相続関係がわかる書類、本人確認書類など
横スクロールできます

※2026年10月2日に各公式ページで確認。変わることがあるので、申し込む前に窓口で確認してください。

①ゆうちょの現存調査

  1. ゆうちょ銀行か郵便局の貯金窓口で「貯金等照会書」をもらう
  2. 印章と本人確認書類を用意し、相続人として申し込むときに追加で必要な書類を窓口で確認する
  3. 窓口に出して、郵送の結果を待つ

②心当たりの銀行に問い合わせて残高証明も請求

③相続時預貯金口座照会の費用と限界

注意

「照会で何も出なかった=口座がない」ではありません。①②や痕跡チェックリストの結果と照らし合わせましょう。

ケース別の対処:元気・認知症・亡くなった後

ケース1:親が元気なうちは本人と一緒に銀行へ

  • 通帳やキャッシュカードがない → 本人が再発行を申し込む
  • 届出印がわからない → 本人が新しい印鑑で改印を申し込む
  • この先が心配 → 代理人カードや代理人の届出ができるか本人と銀行に相談する

ケース2:認知症の親の預金を引き出すには?

注意

カードと暗証番号を知っていても、家族が自由に引き出すと、後でほかの家族とのトラブルになるおそれがあります。使い道と領収書は残しましょう。

ケース3:届出印がわからない相続でも手続きはできる?

  1. 公共料金やカードの引落口座を切り替えられるか確認する
  2. 葬儀費用をどこから払うか決める(立て替えるか、預貯金の払戻し制度を使うか)
  3. 銀行に死亡を連絡し、必要書類と残高証明書の請求方法を確認する
  4. 遺産分割がまとまったら、払戻しや名義変更をする

親が元気なうちにできること

  1. 銀行名・支店名・口座の種類・通帳とカードの保管場所を書く
  2. 年金の振込先や、公共料金・カードの引落先も書き添える
  3. 家族名義の口座も同じ一覧に入れ、誰のお金か、誰が管理しているかをメモする
  4. ネット銀行はアプリ名とメールアドレスも記録する
  5. 使っていない口座は、本人と相談して整理を検討する
  6. 貸金庫を使っているなら、銀行名と中身を記録する
注意

暗証番号やパスワードは一覧に書かないでください。紛失や盗難のときに被害が大きくなるおそれがあります。

やってはいけないNG対応

NG対応なぜ危ないか代わりにすること
亡くなった後にカードで引き出す相続人間のトラブル、相続放棄ができなくなるおそれ払戻し制度や遺産分割の手続きを使う
暗証番号を何度も試すカードが使えなくなるおそれ窓口で正式に手続きする
郵便物をまとめて捨てる口座を特定する手がかりが消える手続きが終わるまで保管する
相続時口座照会だけで終える紐づけていない口座が漏れる現存調査や銀行への問い合わせと組み合わせる
判断能力が落ちた親に書類を書かせる後で手続きの有効性を争われるおそれ銀行に相談するか、成年後見を検討する
横スクロールできます
注意

民法921条1号は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは単純承認したものとみなすと定めています(e-Gov法令検索)。相続放棄を少しでも考えているなら、故人の口座からお金を動かす前に、弁護士や司法書士に相談してください。

まとめ:今日からできる3つの行動

よくある質問

ゆうちょの現存調査に費用はかかりますか?

相続時口座照会で何も出なければ、口座はないと考えていいですか?

通帳が見つからないまま10年たつと、預金はなくなりますか?

親の通帳の再発行は、家族だけでもできますか?

補足

この記事は一般的な情報をまとめたもので、個別の事情への助言ではありません。制度や手数料は変わることがあります。

最終確認日:2026年10月2日

関連記事