- 認知症で口座が「凍結」される本当の仕組みと、そのタイミング
- 費用ゼロで今週できる3つの対策(集約・自動化・代理人登録)
- 家族信託/任意後見/法定後見の費用と向き不向きの比較
- すでに発症している場合に残されている選択肢
注意本記事は一般的な情報の整理です。制度の可否や税務の扱いは個別事情で変わります。実行前に司法書士・弁護士・税理士、または市区町村の相談窓口へご確認ください。
認知症の親のお金の管理方法は5つ|状況別の早見表
| 今の親の状態 | まずやるべき管理方法 | 費用の目安 |
|---|
| まだ元気・診断なし | 財産の一覧化+代理人カード+制度の契約 | 0円〜100万円 |
| もの忘れが増えてきた | 急いで専門家に相談(家族信託・任意後見の可否判断) | 相談は無料〜 |
| 軽度認知障害(MCI)・初期 | 契約できる可能性あり。司法書士・弁護士へ即相談 | 相談は無料〜 |
| 診断済みだが窓口対応は可能 | 代理人カード・自動引落・指定代理請求人の登録 | ほぼ0円 |
| 意思確認が難しい | 法定後見の申立て+銀行への個別相談 | 実費1万〜2万円+報酬 |
横スクロールできます
| ステップ | やること | 目安期間 | 費用の目安 | 発症後も可能か |
|---|
| 1 | 親とお金の話をする | 今すぐ〜1か月 | 0円 | △(会話の状態次第) |
| 2 | 財産と収支を一覧化する | 1〜2週間 | 0円 | ○(子だけでも着手可) |
| 3 | 代理人カード・自動引落など軽い対策 | 1〜2週間 | ほぼ0円 | ×(本人手続きが必要) |
| 4 | 家族信託・任意後見の契約 | 1〜3か月 | 約2万〜100万円 | ×(意思確認が必要) |
| 5 | 成年後見の申立て+銀行相談 | 2〜4か月 | 実費1万〜2万円+報酬 | ○(発症後の手段) |
横スクロールできます
そもそも「認知症でお金が動かせなくなる」とはどういうことか
- 窓口での預金の引き出し・振り込み
- 定期預金の解約
- 投資信託や株式の売却
- 不動産の売却・賃貸契約
- 保険の解約や請求手続き(指定代理請求人がいない場合)
補足「凍結=財産が没収される」わけではありません。お金は本人のものとして守られたまま、動かす手段が制限される、というのが正確なイメージです。
始める前の準備・必要なもの
- 銀行口座(金融機関名・支店・種別・おおよその残高)
- 証券口座(株式・投資信託・NISAなど)
- 保険(生命保険・医療保険・証券番号・受取人)
- 不動産(自宅・土地・登記名義)
- 負債(ローン・借入)
- 年金(受給額・受取口座)
- 地域包括支援センター(無料・介護と合わせて相談可)
- 司法書士・弁護士(家族信託・後見の専門家)
- 取引銀行(代理人サービスの有無の確認)
手順を順番に詳しく解説【5ステップ】
ステップ1:親とお金の話をする
- テレビや記事の話題から:「認知症で口座が凍結されるらしいよ」
- 身近な事例から:「〇〇さんの家、施設のお金で大変だったって」
- 自分の話から:「私も保険を見直したんだけど、お父さんのはどうなってる?」
ステップ2:財産と収支を一覧化する
ステップ3:今すぐできる軽い対策を打つ
- 代理人カード(家族カード)の発行:多くの銀行で、生計を同一にする親族向けに本人口座のATMカードを追加発行できます。
- 固定費の口座引き落とし化:公共料金・保険料・施設費などを自動引き落としにしておくと、取引制限後も引き落とし自体は継続されるのが一般的です。
- 年金受取口座への生活費の集約:収入と支出の流れを1本にまとめます。
- 保険の指定代理請求人の設定:本人が請求できないとき、家族が保険金・給付金を請求できるようになります。
[!チェックリスト] ステップ3が終わったか確認しましょう。
- [ ] 使っていない口座を解約し、2〜3本に集約した
- [ ] メイン口座で代理人カードを発行した
- [ ] 施設費・光熱費・保険料を自動引き落としに変更した
- [ ] 生命保険・医療保険に指定代理請求人を登録した
- [ ] 取引銀行に「予約型代理人サービス」の有無を確認した
- [ ] 通帳・印鑑・カードの保管場所を家族で共有した
ステップ4:本格的な制度を選んで契約する
ステップ5:発症後は成年後見制度+銀行相談で対応する
家族信託・任意後見・法定後見はどれを選ぶ?費用と特徴を比較
| 項目 | 家族信託 | 任意後見 | 法定後見 |
|---|
| 契約・開始時期 | 判断能力があるうちに契約し即開始可 | 事前に契約し、低下後に発効 | 低下後に家裁へ申立て |
| できること | 財産の管理・運用・処分(売却も可) | 財産管理+身上保護 | 財産の維持・保全が中心 |
| 初期費用の目安 | 約30万〜100万円(専門家報酬+公正証書等) | 約2万〜20万円 | 実費1万〜2万円+診断書等 |
| 継続費用の目安 | 原則なし | 監督人報酬 月1万〜3万円程度 | 後見人報酬 月2万〜6万円程度 |
| 柔軟性 | 高い(契約の設計次第) | 中 | 低い(本人保護が最優先) |
| 監督 | 家裁の関与なし | 家裁が監督人を選任 | 家裁が直接監督 |
横スクロールできます
| 家族の状況 | 向いている選択肢 |
|---|
| 実家を将来売って介護費に充てたい | 家族信託 |
| 預金の管理が中心・財産は数百万円規模 | 代理人カード+予約型代理人サービス |
| 介護契約など身上保護も任せたい | 任意後見 |
| 子が遠方・信頼できる親族がいない | 任意後見(専門家を受任者に) |
| 日常のお金の出し入れだけ不安 | 日常生活自立支援事業 |
| すでに判断能力が低下している | 法定後見+銀行相談 |
横スクロールできます
つまずきやすいポイントと対処法
注意話し合いを先送りしている間に症状が進むのが最悪のパターンです。親の同意が取れない段階でも、財産リストの下書きや相談先探しなど、子ども側だけでできる準備は進めておきましょう。
効率化・応用のコツ
注意点・リスク
注意本記事の制度・税金の説明は一般的な情報であり、個別の可否や金額は事案によって異なります。実行前に必ず司法書士・弁護士・税理士などの専門家、または市区町村の相談窓口に確認してください。
具体例・ケーススタディ
| 比較項目 | Aさん家(事前対策あり) | Bさん家(事前対策なし) |
|---|
| 準備にかけた費用 | 約60万円(一括) | 実費約2万円 |
| 継続費用 | 原則なし | 月2万円(10年で約240万円) |
| 入居金の支払い | 信託口座から即対応 | 選任まで約3か月立て替え |
| 自宅の売却 | 受託者の判断で可能 | 家裁の許可が必要 |
| 家族の裁量 | 受託者が柔軟に判断 | 後見人と家裁の方針が優先 |
横スクロールできます
※上記は一般的な事例をもとにした説明用のモデルケースです。費用や期間は事案により変わります。
関連記事
次に読むと、この記事の判断がしやすくなります。
よくある質問
- 分かる範囲で財産リストの下書きを作る(費用0円)
- 取引銀行に代理人カードと予約型代理人サービスの有無を確認する(費用0円)
最終確認日:2026年8月30日
関連記事