親の認知症に備えるお金の管理方法5ステップ|口座凍結を防ぐ完全ガイド
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親の認知症に備えるお金の管理方法5ステップ|口座凍結を防ぐ完全ガイド

親が認知症になったときのお金の管理は、発症前にどれだけ準備できたかでほぼ決まります。結論からお伝えすると、手順は「①親と話し合う→②財産を見える化する→③代理人カードなど今すぐできる対策を打つ→④家族信託・任意後見など本格的な制度を選ぶ→⑤発症後は成年後見制度と銀行への相談で対応する」の5ステップです。判断能力が低下した後では選べる方法が大きく減り、預金が引き出せない「資産凍結」に直面する家族は少なくありません。本記事では、口座凍結の仕組みから制度ごとの費用比較、実際のケーススタディまで、家族が今日から動ける形で順番に解説します。

結論:親のお金の管理は「発症前の5ステップ」で決まる

親のお金の管理は、判断能力があるうちに話し合いから制度の契約まで済ませる「事前準備」が最重要です。

なぜ「事前」がそこまで重要なのでしょうか。民法第3条の2では、意思能力(自分の行為の結果を判断する力)を欠いた状態で行った法律行為は無効とされています。つまり認知症が進んでからでは、預金の解約も、不動産の売却も、家族信託の契約も、本人は有効に行えなくなるのです。

全体の流れは次の5ステップです。

  1. 親とお金の話をする(目安:今すぐ〜1か月)
  2. 財産と収支を一覧化する(1〜2週間)
  3. 今すぐできる軽い対策を打つ(代理人カード発行・支払いの自動化など)
  4. 本格的な制度を選んで契約する(家族信託・任意後見など/1〜3か月)
  5. 発症後は成年後見制度+銀行への相談で対応する

ポイントは、ステップ1〜4が親の判断能力があるうちにしかできないということです。厚生労働省の研究班の推計では、認知症の高齢者は2040年に約584万人に達するとされています。65歳以上のおよそ7人に1人という規模であり、「うちはまだ大丈夫」と先送りできる問題ではありません。

一方で、すでに認知症が進んでいる場合でも打つ手がなくなるわけではありません。ステップ5の成年後見制度や、全国銀行協会の指針に基づく銀行への相談など、発症後の対応策も本記事で詳しく扱います。

ポイント

迷ったら「親が元気なうちに、財産の一覧化と制度の契約まで終わらせる」ことをゴールに設定しましょう。逆算すると、話し合いの開始は早いほど有利です。

そもそも「認知症でお金が動かせなくなる」とはどういうことか

そもそも「認知症でお金が動かせなくなる」とはどういうことか

認知症で判断能力が低下すると、預金の引き出しや不動産売却が制限される「資産凍結」と呼ばれる状態になるとされています。

まず誤解が多い点ですが、認知症と診断された瞬間に口座が自動で凍結されるわけではありません。銀行が取引を制限するのは、窓口での会話の様子や家族からの申告などによって「本人の意思確認ができない」と判断したときです。逆に言えば、診断前でも窓口で意思疎通ができなければ取引を断られることがありますし、診断後でもATMでの引き出しが物理的にできてしまうケースもあります。

では、なぜ銀行は取引を止めるのでしょうか。理由は預金者本人の保護です。判断能力のない人の預金を周囲が自由に引き出せてしまうと、使い込みや詐欺被害を防げません。銀行は民法上の意思能力の考え方に沿って、本人の意思が確認できない取引を原則として受け付けない運用をしています。

凍結状態になると、具体的には次のことができなくなります。

  • 窓口での預金の引き出し・振り込み
  • 定期預金の解約
  • 投資信託や株式の売却
  • 不動産の売却・賃貸契約
  • 保険の解約や請求手続き(指定代理請求人がいない場合)

介護施設の入居一時金は数十万〜数百万円かかることが珍しくなく、「親のお金はあるのに使えず、子どもが立て替える」事態が実際に起きています。第一生命経済研究所の推計では、認知症の人が保有する金融資産は2030年に215兆円に達するとされており、社会全体でも大きな課題です。

なお、2021年に全国銀行協会が公表した「金融取引の代理等に関する考え方」では、医療費や介護費など本人の利益に明らかに適う支払いに限り、親族からの引き出し依頼に応じる場合があると示されました。ただしこれは各行の判断による例外対応で、請求書や診断書の提出を求められるなどハードルは高めです。

補足

「凍結=財産が没収される」わけではありません。お金は本人のものとして守られたまま、動かす手段が制限される、というのが正確なイメージです。

始める前の準備・必要なもの

準備の核心は「財産の見える化」と「家族の合意形成」の2つです。書類集めは方針が決まってからで間に合います。

対策を始める前に、次のものを揃えましょう。

1. 財産リスト(最重要) 以下を一覧にします。すべて正確でなくても、まず全体像をつかむことが目的です。

  • 銀行口座(金融機関名・支店・種別・おおよその残高)
  • 証券口座(株式・投資信託・NISAなど)
  • 保険(生命保険・医療保険・証券番号・受取人)
  • 不動産(自宅・土地・登記名義)
  • 負債(ローン・借入)
  • 年金(受給額・受取口座)

2. 毎月の収支メモ 年金収入と、生活費・医療費・固定費の支出を把握します。凍結時に「毎月いくら不足するか」が見えるため、対策の規模を決める判断材料になります。

3. 通帳・印鑑・カードの保管場所の共有 場所を家族が知らないと、いざというとき探すだけで消耗します。エンディングノートに記載してもらうのが自然です。

4. 家族(特に兄弟姉妹)の合意 誰が管理を担うのか、方針は何かを事前に共有します。ここを飛ばすと、後で「勝手に決めた」「使い込みでは」という争いの火種になります。

5. 手続きで使う書類の目星 戸籍謄本、住民票、不動産の登記事項証明書、本人確認書類(マイナンバーカード等)は多くの手続きで共通して必要です。

6. 相談先の候補

  • 地域包括支援センター(無料・介護と合わせて相談可)
  • 司法書士・弁護士(家族信託・後見の専門家)
  • 取引銀行(代理人サービスの有無の確認)
ポイント

最初の一歩は「財産リストのたたき台を子どもが作り、親に確認してもらう」方式がおすすめです。親にゼロから書いてもらうより負担が少なく、話し合いのきっかけにもなります。

手順を順番に詳しく解説【5ステップ】

手順は「話し合い→見える化→すぐできる対策→制度の契約→発症後の対応」の順で、できるところから進めます。

ステップ1:親とお金の話をする

いきなり「財産を教えて」と切り出すと警戒されます。効果的なきっかけは次の3つです。

  • テレビや記事の話題から:「認知症で口座が凍結されるらしいよ」
  • 身近な事例から:「〇〇さんの家、施設のお金で大変だったって」
  • 自分の話から:「私も保険を見直したんだけど、お父さんのはどうなってる?」

目的は「親のお金を親のために守ること」だと繰り返し伝えます。1回で全部聞き出そうとせず、複数回に分けるのがコツです。

ステップ2:財産と収支を一覧化する

前章のリストを埋めていきます。このとき、使っていない口座は解約して2〜3本に集約しておくと、後の管理も手続きも格段に楽になります。

ステップ3:今すぐできる軽い対策を打つ

契約書のいらない対策から着手します。

  1. 代理人カード(家族カード)の発行:多くの銀行で、生計を同一にする親族向けに本人口座のATMカードを追加発行できます。
  2. 固定費の口座引き落とし化:公共料金・保険料・施設費などを自動引き落としにしておくと、取引制限後も引き落とし自体は継続されるのが一般的です。
  3. 年金受取口座への生活費の集約:収入と支出の流れを1本にまとめます。
  4. 保険の指定代理請求人の設定:本人が請求できないとき、家族が保険金・給付金を請求できるようになります。

ステップ4:本格的な制度を選んで契約する

財産額や家族構成に応じて、家族信託・任意後見などから選びます(次章で比較します)。いずれも公正証書の作成が基本で、専門家への相談から契約完了まで1〜3か月程度を見込みます。認知症の症状が出てからでは公証人の意思確認を通らない可能性があるため、ここが時間との勝負です。

ステップ5:発症後は成年後見制度+銀行相談で対応する

事前対策のないまま判断能力が低下した場合は、家庭裁判所に法定後見の申立てを行います。申立てから後見人の選任まで、一般に2〜4か月程度かかるとされています。並行して、医療費・介護費の支払いが目前に迫っている場合は、請求書等を持って銀行に相談しましょう。全銀協の考え方に基づき、個別に対応してもらえる可能性があります。

まとめ

ステップ1〜3は費用ほぼゼロで今週から始められます。ステップ4は専門家+公正証書、ステップ5は家庭裁判所が関わる、と覚えておきましょう。

家族信託・任意後見・法定後見はどれを選ぶ?費用と特徴を比較

柔軟にお金を動かしたいなら家族信託、裁判所の監督下での安心を重視するなら任意後見・法定後見が候補です。

主な制度を比較します(費用は一般的な目安で、事案により変動します)。

項目家族信託任意後見法定後見
契約・開始時期判断能力があるうちに契約し即開始可事前に契約し、低下後に発効低下後に家裁へ申立て
できること財産の管理・運用・処分(売却も可)財産管理+身上保護財産の維持・保全が中心
初期費用の目安約30万〜100万円(専門家報酬+公正証書等)約2万〜20万円実費1万〜2万円+診断書等
継続費用の目安原則なし監督人報酬 月1万〜3万円程度後見人報酬 月2万〜6万円程度
柔軟性高い(契約の設計次第)低い(本人保護が最優先)
監督家裁の関与なし家裁が監督人を選任家裁が直接監督

家族信託は、親(委託者)が子(受託者)に財産の管理・処分を託す契約です。信託した預金や不動産は凍結の影響を受けず、施設費用を捻出するための自宅売却なども受託者の判断で行えます。初期費用は高めですが、継続費用がかからないため長期では割安になるケースが多いとされています。

任意後見は、将来の後見人を本人が元気なうちに指名しておく制度です。発効すると家庭裁判所が任意後見監督人を選任し、監督人への報酬が本人の財産から支払われ続けます。財産管理に加えて、介護サービス契約などの「身上保護」までカバーできるのが強みです。

法定後見は、すでに判断能力が低下した後の、事実上ほぼ唯一の選択肢です。家族が後見人になれるとは限らず、司法書士などの専門職が選任される割合が高い(親族が選ばれるのは全体の約2割とされています)点、一度始まると原則として本人が亡くなるまでやめられない点は必ず理解しておきましょう。

このほか軽度の選択肢として、社会福祉協議会が行う日常生活自立支援事業(通帳の預かりや日常的な金銭管理を1回1,000〜1,500円程度で支援)もあります。

ポイント

分かれ目は「不動産を将来売る可能性があるか」です。売却の可能性があるなら家族信託、預金管理が中心で金額も大きくないなら任意後見や日常生活自立支援事業も十分な選択肢になります。

つまずきやすいポイントと対処法

最大の壁は制度の複雑さではなく、「親が話に応じない」「兄弟の足並みが揃わない」という人間関係の問題です。

つまずき1:親が「まだ早い」「財産を狙っているのか」と拒否する 対処法は3つあります。第一に、自分の終活(保険の見直しやエンディングノート)を先にやって見せること。第二に、ケアマネジャーや銀行員、専門家など第三者の口から説明してもらうこと。親は子の言葉より専門家の言葉に耳を傾ける傾向があります。第三に、「全財産」ではなく「介護に使う分だけ」と範囲を絞って提案することです。

つまずき2:兄弟姉妹の意見が合わない 「長男が信託の受託者になるのは不公平だ」といった対立は典型例です。対処法は情報の完全オープン化です。家族のメッセージグループで支出記録を定期共有する、契約の設計段階から全員に同席してもらうなどで、「密室で決めた」印象をなくします。

つまずき3:すでに判断能力がグレーゾーン 軽度認知障害(MCI)や初期の認知症でも、契約内容を理解できる状態であれば公正証書を作成できる場合があります。かかりつけ医の診断情報を踏まえ、公証人が本人の意思を確認できるかがポイントです。「診断がついたから全部無理」と自己判断せず、早急に司法書士・弁護士に相談してください。

つまずき4:専門家費用が高くて動けない 市区町村や地域包括支援センターの無料相談、法テラス、司法書士会の相談会など、初回無料の窓口は多くあります。まず無料相談で全体方針を固め、契約書の作成など必要な部分だけを依頼すると費用を抑えられます。

つまずき5:対策が中途半端で一部の財産が凍結 家族信託を組んだのに証券口座を信託に入れ忘れた、といったケースです。財産リストと対策のカバー範囲を突き合わせ、「この財産は凍結したら誰がどう動かすか」を1件ずつ確認しましょう。

注意

話し合いを先送りしている間に症状が進むのが最悪のパターンです。親の同意が取れない段階でも、財産リストの下書きや相談先探しなど、子ども側だけでできる準備は進めておきましょう。

効率化・応用のコツ

口座の集約と支払いの自動化だけでも、凍結時の実害を大きく減らせます。コツは「仕組み化」です。

コツ1:口座は「年金受取のメイン1本+予備1本」に集約する 口座が5本も6本もあると、凍結時の手続きも後見人の管理負担もすべて倍になります。使っていない口座は元気なうちに解約しましょう。

コツ2:支払いはすべて自動引き落としにする 取引が制限されても、既存の自動引き落としは継続されるのが一般的です。介護施設費・公共料金・保険料をメイン口座からの引き落としにまとめておけば、凍結時に本当に困るのは「現金の引き出し」だけに絞られます。

コツ3:銀行の認知症対応サービスを確認する 近年は大手銀行を中心に、あらかじめ代理人を届け出ておくと判断能力の低下後も家族が一定の手続きをできる「予約型代理人サービス」などが広がっています。取引銀行に同種のサービスがあるか、元気なうちに確認・登録しておくと、家族信託より手軽な備えになります。

コツ4:暦年贈与で「使う分を前渡し」しておく 年110万円までの贈与には贈与税がかかりません(暦年課税)。介護費用に充てる分を計画的に子の口座へ移しておくのも実務的な方法です。ただし相続時のトラブルを避けるため、贈与契約書を作り、記録を残してください。

コツ5:デジタル資産も忘れない ネット銀行・ネット証券・スマホ決済は通帳がなく、家族が存在に気づけないことがあります。IDの一覧(パスワードは別管理)をエンディングノートに残してもらいましょう。

コツ6:年1回の「家族お金会議」で更新する 財産状況も制度も変わります。お盆や正月など家族が集まるタイミングで財産リストと対策を見直す習慣にすると、負担なく最新の状態を保てます。

まとめ

「集約」「自動化」「代理人登録」の3点セットは費用ほぼゼロで効果が大きい基本装備です。制度選びに時間がかかりそうでも、ここだけは先に済ませましょう。

注意点・リスク

家族による無断の引き出しや曖昧な管理は、後の相続トラブルや「使い込み」疑いに直結します。記録がすべてです。

リスク1:キャッシュカードでの引き出しが争いの種になる 親のカードで家族が引き出す行為は、本人の意思に基づき本人のために使う限り、直ちに問題になるとは限りません。しかし判断能力の低下後の引き出しは、後に他の相続人から使い込みを疑われ、返還を求められるリスクがあります。引き出した日付・金額・使途と領収書を必ず記録してください。

リスク2:よかれと思った資金移動に贈与税がかかる 親の預金を子の口座へまとめて移すと、年110万円を超えた部分に贈与税が課される可能性があります。「管理のため」のつもりでも、税務上は贈与と扱われ得る点に注意が必要です。判断に迷う場合は税理士に確認しましょう。

リスク3:成年後見は「始めたら戻れない」 法定後見は原則として本人が亡くなるまで続き、途中でやめることはできません。専門職後見人が選任されれば報酬(月2万〜6万円程度が目安)も続きます。申立ての前に、本当に後見が必要か、他の手段では足りないかを専門家と検討してください。

リスク4:家族信託の設計ミス・対応金融機関の問題 家族信託には、「信託口口座」を開設できる金融機関が限られる、遺留分(相続人に保障された最低限の取り分)への配慮を欠くと争いになる、といった落とし穴があります。インターネット上のひな形の流用は避け、実績のある専門家に設計を依頼してください。

リスク5:高額請求・不適切な業者 認知症対策への関心の高まりに乗じて、相場を大きく超える報酬を請求する業者の存在も指摘されています。複数の専門家から見積もりを取り、費用の内訳(公正証書費用・登記費用・報酬)を確認しましょう。

注意

本記事の制度・税金の説明は一般的な情報であり、個別の可否や金額は事案によって異なります。実行前に必ず司法書士・弁護士・税理士などの専門家、または市区町村の相談窓口に確認してください。

具体例・ケーススタディ

発症前に動いたAさん家と、発症後に慌てたBさん家では、使えるお金・手間・費用に大きな差が出ました。

ケース1:発症前に家族信託を組んだAさん(52歳・会社員) Aさんの母(78歳)は物忘れが増えてきた段階で、かかりつけ医から「今のうちに備えを」と助言を受けました。Aさんは司法書士に相談し、自宅マンションと預金1,500万円を信託財産とする家族信託を契約。費用は公正証書の作成や登記込みで約60万円でした。3年後、母はアルツハイマー型認知症と診断されましたが、施設入居一時金300万円は信託口座からそのまま支払えました。空き家になった自宅も受託者であるAさんの判断で売却でき、代金を介護費用に充当。凍結の影響をほぼ受けずに乗り切れた例です。

ケース2:対策前に発症したBさん(48歳・パート) Bさんの父(80歳)は脳梗塞をきっかけに認知症が進行。銀行窓口で定期預金500万円の解約を申し出た際に本人の意思確認ができず、取引が制限されました。施設入居の一時金100万円と毎月の不足分約8万円をBさん夫婦が立て替える生活が始まり、家計を圧迫。やむなく法定後見を申し立て、選任まで約3か月かかりました。後見人には面識のない司法書士が選ばれ、報酬は月2万円。父の存命期間が10年なら報酬総額は約240万円になる計算です。生活は回るようになったものの、「あと1年早く動いていれば」とBさんは振り返ります。

2つのケースの比較

  • 使えるお金:Aさん家は入居金も売却代金も柔軟に活用/Bさん家は後見開始まで全額立て替え
  • 継続費用:Aさん家はゼロ/Bさん家は月2万円の後見報酬が継続
  • 家族の裁量:Aさん家は受託者が柔軟に判断/Bさん家は後見人と家庭裁判所の方針が優先
ポイント

分かれ目は資産額でも知識量でもなく、「症状が軽いうちに専門家へ相談したかどうか」でした。迷っている段階での相談は、早すぎることはありません。

よくある質問

Q1. 親が認知症と診断されたら、口座はすぐ凍結されますか? A. いいえ、診断と同時に自動で凍結される仕組みはありません。銀行が窓口での様子や家族からの申告により「本人の意思確認ができない」と判断した時点で、取引が制限されるのが一般的です。ただし時期は予測できないため、診断の前後を問わず早めの備えが安全です。

Q2. 家族が親のキャッシュカードでお金を引き出すのは違法ですか? A. 本人の意思に基づき、本人のために使う範囲であれば直ちに違法とは言い切れません。ただし判断能力の低下後の引き出しは、他の相続人とのトラブルや使い込み疑いのもとになります。日付・金額・使途の記録と領収書の保管を徹底し、金額が大きい場合は事前に銀行や専門家に相談してください。

Q3. 成年後見制度の費用はどのくらいかかりますか? A. 申立ての実費が1万〜2万円程度(診断書代や鑑定費用が加わる場合あり)、専門職後見人が選任された場合の報酬は月2万〜6万円程度が目安とされています。報酬は本人の財産から、原則として亡くなるまで支払いが続く点に注意が必要です。

Q4. 家族信託と任意後見はどちらを選ぶべきですか? A. 不動産売却など柔軟な財産活用を見込むなら家族信託、介護契約などの身上保護や裁判所の監督による安心を重視するなら任意後見が向いています。両者を組み合わせる設計も可能なので、財産構成を専門家に示して提案を受けるのが確実です。

Q5. すでに認知症がかなり進んでいます。もう何もできませんか? A. できることは残っています。法定後見の申立て、全国銀行協会の考え方に基づく医療費・介護費についての銀行への相談、既存の自動引き落としの活用などです。まず地域包括支援センターか市区町村の相談窓口に現状を伝え、優先順位を整理してもらいましょう。

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まとめ:今週、財産リストの下書きから始めましょう

親の認知症へのお金の備えは、①話し合い→②財産の見える化→③軽い対策→④制度の契約→⑤発症後の対応、の5ステップでした。核心は、選択肢が多いうちに動くことです。まずは費用ゼロでできる「財産リストの下書き」と「銀行の代理人サービスの確認」から着手し、方針が固まったら司法書士・弁護士など専門家の力を借りてください。制度や税金の扱いは個々の事情で変わるため、実行前の専門家相談を強くおすすめします。

最終確認日:2026年7月4日

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